殿ダム 見学 その5

左岸に到着です。
今、越流しているんですがダム湖の水面はとても静か。
そして水位はそんなにすごく高いわけではありません。
いったいどこからカスケードに水が来ているんだろうとわくわく近づいていきますと・・

ぎゃっ!!
ああああああああ!!!!
そーか
そーだったんかー
まさかこんな所にオリフィスあるなんてーーー
完全に予想を裏切られました。
ロックフィルダムによく見られる横越流式洪水吐。
ここにオリフィスを設けるという発想が自分の頭には欠落していたのです。

確かにこの位置にこうしてオリフィスを設けておけば自動的に洪水調節してくれる上に
常時満水位と高さを揃えておけばカスケードにはゲート操作不要でさらさらお水が流れるし
良いことづくめに見える素敵なオリフィスゲートです。
構造シンプルで仕事びしっと決めてますね。

水位がそこそこあったために
運よくカスケードを流れる水が見られたという事だったのです。
ラッキーでした。
そばには近づけませんでしたが殿ダムは
エアロック式の連続サイフォン式取水設備も装備しています。
志津見ダムとお揃い。

左岸から素敵な堤体を眺めます。
殿ダム資料室で見ていてとても嬉しかったこと。
それは地域の方の協力が素晴らしかったことです。
殿ダムがこの場所にできることになって
殿ダムが一日も早く完成するように
土日祝日をお休みにして機械を休ませてしまう事のないように
佐久間ダム建設の時のような心意気で
堤体の盛立作業は24時間体制で続けられ
この堤体はこれだけの大きさにも関わらず18ヶ月で完成したのです。
ダム建設にコスト縮減はどの時代でも大きな課題です。
地域の方の協力なしに24時間体制で工事は行えません。
本体工事が始まってからも
ダム建設反対の運動が収まらないダムはあちこちにあります。
でも殿ダムは
ダムの工事が始まったら
ダムを受け入れる土地の人は
皆、協力してダムが早くできるようにして下さったのです。
一日も早くダムを完成させよう
ダムに仕事をしてもらおう
造る側の気持ちと受け入れる側の気持ち
その協力体制がこの美しい堤体に見事に表れています。
竣工した堤体はその気持ちに応えるように
日差しの下でうんと胸を張っているように見えました。