富郷ダム見学 その2

天端と堤体を見た後、ふと振り返ると普通は管理用のトンネル通路が
設置されているべき場所に、なにやら可愛い気配が漂っています。


なんとおしゃれな!
管理用の通路を利用してギャラリーにしてあったのです。
「とみさとダムワールド」と書かれていました。
水資源開発公団...やるな...。

中に入ると女性職員の方がいて,いろいろお話を伺う事ができました。
パンフレットも凄く資料性に富む物で、私はニヤニヤ笑いが止まりません。


中に入るとこんな風に照明で水をイメージした空間になっています。
空調もかなり冷たくて雰囲気良いです。
この青いライトが作り出す映像がかなり綺麗だったのですが
撮る人撮る人、皆、ピンぼけになると評判だそうです。
本来ここにあるべき施設はこの展示スペースの奥に作ったわけですね。
無駄の無いデザインです。めちゃめちゃ気に入りました♪

 
i-macの展示場ではありません(笑)
ボーリングサンプルや地形模型、ダムの役割と工事の進み方を
見る事ができるようになっています。

この富郷ダムは同じ水系に連続して作られたダムの一番奥に当たるそうです。
吉野川の上流で瀬戸内海側にある銅山川に作られました。

下流から新宮ダム、柳瀬ダム、そしてこの富郷ダムです。
どうしてそんなに連続してダムが必要なのかというと、伊予三島市と川之江市
に広がる工業用水の確保が急務だったからといいます。
川之江市は紙・パルプの基幹産業・工業地帯があります。
水が足りないのです。

四国はかなり地域で降雨量と出水量に差があるという印象があります。
1994年の大渇水で早明浦ダムが枯渇しそうになっていた時、私は丁度
四国縦断・横断旅行に来ていました。飲料水まで地元で買い込んで
行ったのですが、水道地域では断水が続いているのに山間部の
簡易水道地域では水の心配をしていなかったりしている光景を見ました。

でも水道の地域の方が圧倒的に人口も多いし渇水対策は四国の県
にとって重要な問題である事に変わりありません。

「このダムで水没した家屋は何個ですか?」
「105戸です。」
「その方々は市内に移住されたのですか?」
「はい。殆ど市内に移られました。」
私の質問によどみなく答えてくれる女性職員さんでした。

そして......

「天端のエレベーターは一般の方に開放しておりますので
良かったら下まで行ってご覧になってください。」

「えぇぇぇぇぇぇっ!ホンマですかッ!」

あまりに素敵なシステムに興奮して私は天端に向かいました。


左岸の監査廊への階段です。
かなり高いです。下から見たらどんなにカッコ良い事でしょう♪