琵琶湖疎水見学 その1
2003/9/11 更新
滋賀県と京都府の間に人工河川を作る。
壮大な計画が動き始めたのは明治18年の事でした。
古くから開発されてきた都市・京都には桂川や加茂川といった
大きな河川があることにはありましたが近代産業に使うには
不便なコースにあることも事実でした。
琵琶湖の水を京都に引き込んで水路による流通路を作る。
水力発電による電力供給、そして工業用水として活用する。
このとてつもない規模の計画を若干、28歳の青年が手がけました。
そしてそれは現実の物となり、世に姿を現してから現在に至るまで
活躍するという素晴らしい仕事となりました。
そのプロジェクトとは『琵琶湖疎水』です。
これが琵琶湖疎水の全体図です。
「治水や利水について勉強するなら一度は見るべき物ですよ」
自由越流式堤体について仕組みを教えてくださった『アクア琵琶』の
副館長さんからそのように聞いて早速、見学に出かけました。
琵琶湖疎水の近くには立派な『琵琶湖疎水記念館』という物が
作られていますが駐車場がありません。
すぐ横にある京都の南禅寺の駐車場に向かいました。
いつも観光客で一杯なので、あまりこの界隈を車で通りたくないと
思うほどの場所なのですが京都で駐車場はお寺にくっついている物です。
仕方ありません。
南禅寺の駐車場に停める事は見学においてメリットがあります。
寺の敷地内に琵琶湖疎水が通っているからです。
何とか駐車場に順番待ちの末に車をいれて
疎水インクラインのほうに回り込みました。
突然現れた “ねじりまんぽ” です。
ねじりまんぽ♪まんぽ〜♪
ねじりまんぽとは..堤の下などに斜めに交差するトンネルを
作るときに使われる工法です。
アーチ型は上からの過重に強い構造としてトンネルでよく使われますが
真横でなく斜めに交差するトンネルにした場合はアーチが一番強い方向に
過重がかかりません。
アーチが一番強い、過重を垂直方向に受け止める様に煉瓦を斜めというか
螺旋状に積み上げていく事を「ねじりまんぽ」というそうです。
中を見るとたしかに煉瓦がぐるぐるしています。
ふだんから通りなれている地元の方には珍しくもなんとも無い
歩行者トンネルなのか、あまり見向きもされていませんが
とっても珍しい物なんです。
ねじりまんぽを通り抜けて南禅寺へ。
とにかく凄い観光客。
有料区画まで行かないうちに見えてきました。
これが琵琶湖疎水のうち、南禅寺の境内にどーんとそびえる
『水路閣』です!
めっちゃ綺麗♪