新中地山ダム 見学 その1
2011/10/1 更新
ずーっと見たかったダムに会いに来ました。
2005年の初夏からずっと
どこからか見られないかと
見えるところを必死で探し
立地が立地なのでどうしても見られないことが分かり
管理しておられる北陸電力様に何年も前から機会があったら見せてほしいと
お願いしていたダムでした。
2009年に見学申請が通った時、数時間差の土砂崩れで林道が通行止めになり見学できませんでした。
2010年に見学をお願いした時もまたまた土砂崩れがあったために見学できませんでした。
嫌われてるのかな
私のこと嫌いなのかな
見学中止になる度、しゅんとしょげていました。
ずっと会いたかったダム
それは新中地山ダムです。
新中地山ダムを管理している北陸電力・常願寺電力部の前に来ています。
お天気快晴
林道通行止情報なし
オールグリーンでついに新中地山ダムに会える日がやってきました。
苦節6年目にしてやっと会える新中地山♪
もう嬉しくて朝の早くから周辺を跳ね回ってうろうろ。
なんでそんなに会いたかったのかというと
とても変わったダムだと文献で見ていたからなのです。
有峰を知るために欠かせない「常願寺川有峰発電計画工事誌」に載っている
新中地山ダムの正面図と標準断面図です。
とても変わった形のダムです。
重力式にしては堤体がとてもスリムで堤体積がどう考えても少なすぎる。
それにはこのダムならではの特別な理由があるのです。
こちらが新中地山ダム付近の平面図です。
有峰ダムから送られてくる水で発電している和田川第二発電所の真横にあるのです。
非常にタイトな堤体からは長い洪水吐開渠が伸びています。
「常願寺川有峰発電計画工事誌」にはこう書かれています。
『本ダム位置は、両岸切り立ったV字型の渓谷で
背面に和田川第二発電所の掘削土砂を捨石するに適した容量を持ち
土捨場前面遮水壁のダムとして築造したもの』
つまり新中地山ダムの背面は掘削土砂を盛り立ててあって全く堤体が見えない造りなのです。
背面に土砂を置くという事で堤体積がとても少ないのです。
そして堤体から離れた上流に洪水吐隧道があります。
堤体をパスして下流に放流できる設備です。
これは新中地山ダムを詳しく知る前に偶然目にしたICOLDの資料で見たとあるダムの構造とそっくりだったのです。
「常願寺川有峰発電計画工事誌」を見た時にあまりの嬉しさに図書館で踊りそうになりました。
ダム仲間と北陸電力の方と待ち合わせて銘々の車でやってきました。
「和田川第二発電所」
新中地山ダムの真横にある発電所です。
構内を除いても見えるのは発電所の大きな建屋と
左岸にある余水吐のスリットだけなのです。
からからとゲートが開きまして
一同構内に入ります。
山の上から発電所建屋にまっすぐ延びる水圧鉄管。
有峰ダムからの水が届いています。
和田川第二発電所は最大で122000kWも発電できるすごい施設です。