オロヴィルダム洪水吐復旧計画 特別講演

2017/5/21 更新

京都にやってきました。


四条まで来て、ここから高瀬川沿いに京都駅までてくてく歩きます。


川沿いにいろいろな花が植えられていました。
ボケの花とバラの花の色が同じでとても綺麗。

のんびりてくてくしていると突然
スニーカーの底が外れるというトラブル。
コンビニで瞬間接着剤を購入して補修。


靴のトラブルはありましたが無事に到着しました京都駅前。


本日の目的地はここです。
メルパルク京都。京都駅ビルの隣。


今年の二月に米国のカリフォルニア州にあるオロヴィルダムで
放流しなくちゃいけない時に洪水吐水路が壊れちゃったりして
下流の住民に避難指示が出されたり大騒ぎになったという事故がありました。

まだそれから数カ月だというのにこの事故事例について
米国のダムエンジニアの方が日本でお話をしてくださるという
凄い講演会が開催されると聞いて飛んできたわけです。


会場に到着しました。
お知り合いの方が何人かいらしてほっとする。

しかし講演は英語。
せめて紙の資料があれば…と思ったんですが
配布はないとの事で、お話聞いて解るだろうかと
おろおろしていたら事務局の偉い人がすっと文献を出してくださいました。


日本大ダム会議様発行の大ダムNo.239号。
こちらに事故の発生からどのように経過したかのまとめが
キチンと訳されて載っているから読みなさいと見せてくださったのです。

やったぁぁ!!
ありがとうございます。

賢くないので予習大事。
とりあえず読む。


会場、いっぱいです。
空席ほぼなし。

講演してくださるAnnandale 博士はICOLD2012Kyotoの時に
米国のカッコいいダムをたーくさん紹介してくださった方です。
京都大学の角先生のお友達。

翌日から京都大学・宇治キャンパスで開催される
第二回 排砂バイパストンネル国際ワークショップのために
来日されていたのです。


タイトルスライドです。
これはどの部分かとしばらく眺めて気づきました。
洪水吐の壊れた部分、流失してしまった部分です。


まず、会の始まりに京都大学の角先生からご挨拶が。
明日からの“排砂バイパストンネルに関する国際ワークショップ”のプレツアーで
ゲストスピーカーの先生方たちと布引五本松ダムに見学に行っておられたとか!!
うらやましー!


Annandale 博士です。
ICOLD2012Kyotoでお話しくださった時にはおひげだったので
どなたなのかお顔見てもさっぱりわからなかった。


講演、始まりましたー。

オロヴィルダムはフーバーダムより背が高い
米国で一番背が高いダムなんだそうです。

この冬、例年に比べて上流の積雪が5割増くらいだったそうで
今回の出水は融雪出水なんですね。

常用洪水吐から放流を開始しようとした時に
900mもある洪水吐水路の途中に原因不明の損傷が発生しました。

放流を止めて補修できたらよかったんですが
どんどん流入が増えていくので放流しないわけにはいかないし
貯水位はガンガン上がっていくし
常用洪水吐水路は破損が拡大していきます。
洗掘です。

下流の住民に対して避難が勧められたようで
ニュース映像などでもその様子は見る事が出来ましたが
大切なことは
「オロヴィルダムの堤体は決して危険な状態ではなかった」
という事なんだそうです。

洪水吐水路の破損が発生した事と
堤体の安全性が失われることは
同義ではありません。

常用洪水吐水路は破損していましたので放流量を絞った結果
水位が上がり、竣工から使われたことのない
非常用洪水吐越流部を使う事になりました。

非常用洪水吐から越流が始まってその放流水の力で
更に常用洪水吐水路の周辺の損傷が拡大しましたが
こういう場合でもやはり大切なのは安全に水位を下げる事なんですね。


日本大ダム会議(JCOLD)のHPでは最新の情報が出ていますので
こちらで確認してください。

ドローンってホントにこういう時に便利だなと思います。
危険なところもしっかり撮影できるし。


損傷箇所とそれぞれの場所をどう補修するかの説明スライドです。
相当の面積が壊れちゃいました。

とにかくスライドの写真を見ていると
どれだけでっかい洪水吐なんだと
スケールの違いにポカーンとなるくらい。
米国のダム凄いな。


講演が終わって質問のお時間。
皆様、英語で普通に質問されているのが羨ましいったらない。

とりあえず堤体は大丈夫だよという事と
11月以降にはまた水位上がり始めるのでそれまでに頑張って補修するよ
というのがお話のポイントでした。


という事で英語は分からなかったけど
貴重な写真などをたくさん見ることができ
周りの皆様の助けでなんとか概要をふわわんと理解することができました。
ありがとうございました。