温井ダム 見学 その1

2010/4/19 更新

2009年の秋、温井ダムを見に行くことにしました。
156.0mのアーチダム
最新技術を結集したダム
事前に資料を集めている時に
別件であるダム管理所の方と電話で話していると
相手の方がこうおっしゃいました。

「温井ダムに行くんですか。写真でしか見た事はありませんが本当に綺麗なダムだと思います。
最後のアーチダムです。楽しんで来てくださいね」

“最後のアーチダム”

国内に50数基しかないアーチダム。
三成ダム、上椎葉ダムで始まった日本のアーチダムの歴史。

いくつもの素晴らしいアーチダムを見てきました。
見るときにその美しさ、カッコ良さに感激する事はあっても
まさか“最後の”という言葉がアーチダムに訪れるという発想は微塵もなかったのです。

バットレスダムのように
中空重力式ダムのように

アーチダムも
これからは造られることのないダムの型式になってしまう
技術の継承がここで途切れてしまう

そういう発想が今までなかったのはアーチダムとして計画されている川辺川ダムの存在がありました。
しかし、川辺川ダムの建設計画は難航しており、建設地点変更、型式変更など色々な話が出ていて
アーチダムとして世に姿を現すかどうかはとても不透明です。

温井は本当に最後のアーチダムになってしまうのかな・・・
いつもみたいにお気楽に見に行く事は出来ないな・・・

と言う事で、勝手に自分にプレッシャーを思いっきりかけてしまって
かなり気持ちがピリピリしながら出発することになりました。



中国自動車道をどんどん進んでやってきました広島県。
ETC車両にはありがたいスマートICがありましたのでここで降りて温井ダムへ。


加計町に入りました。
温井ダムへの案内標識が出ているので迷う事はありません。


ダムに向かう途中にこんな建物が。
これはダム建設に従事しした作業員の方の宿舎「温井ダムワークステーション」を
転用した「川・森文化交流センター」です。

ダムの為に良い仕事をして貰おうと
そして建物を作るなら仮ではなく、その後も活用できる物を建てようと
造られただけあって、とても立派な建物でした。


観光案内地図がありました。


ダムを中心に色々な施設があります。


まずは堤体を下流から見上げられる場所へ向かいます。
紅葉真っ盛りで交通量が多かったのですが下流側はあまり知られていないのか
こちらには渋滞なし。


パーキングにあったダム周囲案内板。
温井ダム堤体下流で川がぐっと曲がっています。
その曲がる辺りにあるパーキング。


堤体に近づいて行くとこのように谷間に姿を現します。

真っ白なアーチ。
すっきりアーチ。