長良川河口堰 見学 その1

2003/11/30 更新

三重県と岐阜県と愛知県の県境が集まる伊勢湾の奥まった場所。
木曽三川が集中するエリアを地図で見るとこんなに綺麗に
よく川が並んだ物だと不思議になります。間に高い山が在るで無し
どうして大河川が三本も綺麗に並んだのだろうかと思っていました。

河川は昔から自然にその場所にずっとその流れのままに在る物ではありません。
人は河が作った肥沃な平地に移り住み水害に遭わぬように
耕作に適するようにと工事でその流れを変えてきました。
現在の木曽三川は長い長い改修の末に出来上がった物だったのです。

最近では滋賀県の草津市にある草津川が廃川となり、付け替えられた川が
草津川を名乗っています。元々流れていた川の場所には今は草が繁り
別の土地利用が検討されています。

川の流れを変える河川改修工事。
小さな川ならいざ知らず、木曽三川は大河と呼ぶに相応しい大規模河川です。
それを今のような形に変えるために江戸時代からこの地には長い時を経て
ずっと治水と利水の為に事業が進められてきていました。

揖斐川の上流には横山ダムや現在建設中の徳山ダムが
木曽川の上流には岩屋ダム、阿木川ダム、牧尾ダム、味噌川ダムがあります。
間に挟まれた長良川にはダム建設が出来ませんでした。
上流に適した土地が見つからなかったからです。

肥沃であると同時に比重の重い海水が川をさかのぼる塩害があり
川の流れがあるにも関わらず、飲み水も取れず耕作も出来ない土地が広がりました。


雨が降る度に増水する濃尾平野の天井川の周辺に広がる海抜0m地帯。
何度も堤防を越えて低い場所に流れ出た濁流。

真水を取水できるようにしなくてはならない
洪水を防がなくてはならない
その二つを一挙に解決するべく長良川河口堰のプロジェクトは始まりました。


東名阪国道の長島ICをおりて南下すると長良川河口堰です。
富士山麓にある国際花園と同じく大ベゴニア温室があることで有名な
観光地『なばなの里』の看板を目印に進むと長良川河口堰に到着します。
『なばなの里』と長良川河口堰は隣接しているのです。

長良川河口堰の看板を見つけて曲がった途端、視界に飛び込んできた
シルエットに思わず..
「でっ...でっけーーー!!」  「うわーうわーすげーすげー」 
と一人、車の中で大騒ぎ。

パーキングに車を入れるや否や走って駆け寄りました。
どうして走るのか自分でもわからないのですがやはり今回も
知らないうちに走っていました。別にダムも河口堰も逃げないんですけどね。

わんこのお散歩の為に車からわんこを降ろしていた人が
私の勢いに吃驚したのか降ろした愛犬をひしと抱きしめて
こちらを怪訝そうに伺っていましたが別に危害は加えませんよ(笑)


視界一杯にどーんと並ぶ河口堰ゲート。
でっかーい♪


河口堰左岸から見学スタートです。
まず眼下には魚道が見えました。
上流側に架かるのは国道1号線の伊勢大橋です。


パーキングの横には管理所も見えています。河口堰の上は通行可能。
ウォーキングをする人、散歩をする人、釣りざおかついで原付で乗り込む人(これは禁止)
そして満面の笑みで走り回って写真を撮る私。朝7時半というのにこの人出。
(人気スポットだな..間違いなく)


おおぉ!向こう岸が見えんっ!
さすが全長661m!すんばらしい!


左岸から一番近い堰柱はこれです。
ゲートを操作する堰柱であると同時に上部の部屋は
堤左岸受変電設備・照明制御設備の機械が納められています。