牧尾ダム 見学 その6


管理所にやってきました。
職員の方がどんどん出勤されてきます。


管理所前の花壇に置かれたオオオニヤンマ。
工作の好きな職員さんがおられるようです。


玄関の扉の注意書き。
ここはカメムシゾーンのようです。

お掃除をしていた方にダムカードをくださいと申し上げしまたら
少しお待ちくださいと中に通してもらえました。


一階のホールで模型や資料をわくわく見ておりましたら
所長様自らがダムカードをお持ち下さいまして吃驚です。


ホールにはダムの写真よりたくさんの土砂崩れの様子を空撮したものが展示されていました。

一体何なのだろうと見ていると
それは昭和59年(1984年)9月14日におきたマグニチュード6.8の
長野県西部地震で生じた土砂崩れの写真でした。

所長様が詳しい説明をくださいます。

長野県西部地震の震源地は牧尾ダムの上流の王滝村でした。




牧尾ダムの上流にある御嶽山の南側斜面で
山体崩壊が起き、3450万m3もの土砂が流出したのです。

   3450万m3 


その土砂は王滝村に大規模な被害をもたらしました。

牧尾ダムの貯水池にはその土砂が流入してきます。
貯水容量に深刻なダメージを与え続けることになりました。

牧尾ダムは利水専門のダムです。

貯められた水は灌漑と工業用水 上下水道、発電に使われます。
水をたくさん溜めてそれをきっちり使えるように確保する役目です。


大量の土砂が貯水池を年々圧迫して行くことに対して牧尾ダムは
浚渫と上流に貯砂ダムを持つことで対応し貯水容量の確保に努めています。


堆砂との戦いにも驚きましたが
素直に吃驚したのは牧尾ダムの年間貯水量の推移グラフです。

ここまできっちり貯めた水を使うのか〜!!と驚く利水計画。
毎年3/31にはほとんど空っぽになるまで水位が下がります。
そして灌漑期に向けては御嶽山からの融雪水が
どんどん水位を上げていきます。

冬に来るとダム湖が吃驚するほど空っぽという事になります。

たっぷり溜めてきっちり使うと言う事で
余水吐からの放流はあまりないのかと思うと
毎年、4回くらいは放流があるそうです。

そして利水専門なのにやっぱり洪水調節もある程度は
しなくてはならず、管理がとにかくシビアで厳しい。
水不足を招くわけにはいかないのです。

これは多目的で頑張らなくてはならない機構のダムの運命でしょうか。


ホールにあった堤体平面図。


右岸からはハウエルバンガーバルブで
左岸からは余水吐で放流があり
下流で一緒になるのが良く解ります。

ここで所長様に牧尾ダムのロックフィルの堤体には
監査廊が無いと教えていただきました。

国内初の100m級ロックフィル、御母衣ダム&牧尾ダム
もしかしたら御母衣ダムにも監査廊はないのかもしれません。
ロックフィル堤体で監査廊が作られたのはいつ頃からなのか
またまた気になることが一つ増えてしまいました。

管理所長様、たくさんお時間を使っていただいて本当に詳しい説明をありがとうございました。


所長様から大変詳しい説明を受けた後、余水吐に近づかせていただきました。


管理所の周りは花壇もとても綺麗です。
花盛りの初秋。


愛知用水の源・牧尾ダム


皆が生活するのに必要なお水を溜める。
利水専用のダムです。

御嶽山の麓で頑張るダムです。

そしてとても美しい風景を作り出しているダムでもあります。

利水専門ダムの運用・管理の難しさを勉強することが出来た牧尾ダム見学でした。