下佐谷ダムと葛山発電所 見学 その3


右岸のコンクリートの壁をずーっと見ていくと・・・


取水口です。
この谷の水に加えて今見ダムから届いた水は
下佐谷ダム湖にまとまり、ここから見座発電所に向かうのです。
何度も水車を回して下流へ下流へ水は向かいます。


敷地の端の道路で谷の奥に進むと水圧鉄管が見えてきました。


薄水緑色の水圧鉄管と余水路です。
この上にはヘッドタンクがあり今見ダムから届いた水を貯めています。


葛山発電所の横にある変電設備。

富山共同自家発電の発電所は50/60Hzどちらでも発電できる互換機発電所です。

東の50Hz
西の60Hz
どちらでも発電できる発電所

高原川のさらに上流にある北陸電力の栃尾発電所と中崎発電所もこの互換機発電所です。

2011年3月11日
東北地方太平洋沖地震発生

地震の後に津波が押し寄せ
関東、東北を支えていた電気の源、原子力発電所が緊急停止し使用不能になりました。

一瞬にして喪失した電気の供給力。

その時に即座に対応したのは水力発電でした。

各電力会社は被害を確認して被災地には各社が保有している高圧電源車を派遣。
技術者が駆けつけました。
電源開発の佐久間FC
中部電力の東清水FC
東京電力の新信濃FC
周波数の壁を超える力を持つ施設は関東と東北に送る電力をフルパワーで送電しはじめました。

50Hzと60Hzのどちらでも発電できる発電所は国内でも数少なくその力は大きなものではありません。
ここ、神通川上流には4か所の互換機発電所があるのです。

見座発電所と葛山発電所の最大出力はそれぞれ25000kW
栃尾発電所の最大出力は10400kW
中崎発電所の最大出力は15500kW

地震の時も50Hz発電で頑張ってくれていた神通川上流の発電所達。
停電のニュースを見た後に一番に頭に浮かんだのが佐久間FCと神通川上流の発電所達でした。

義捐金をこれだけしか送れないけど
献血もこれだけしかできないけど
被災地に駆けつけてお手伝いをしてあげる事も出来ないけれど
でも
今、自分ができる事は
小さいけれどこれだけだから
頑張るから
どうぞ使ってください

たくさんの人がこんな気持ちになっていたと思います。
そして見座・葛山・栃尾・中崎の発電所達は

停電しないほどのたくさんの電気を作ることはできないけど
東の皆さんの為に力いっぱい電気を造ります
自分の出来る事を力いっぱいやります
その為に自分たちは生まれてきたんです
人の暮らしを支え、照らすために

岐阜の山奥からとどけ
東の為に

きっと
そんな気持ちで50Hzで運転をしてくれていたと思うのです。

それはとても
我々一般人の気持ちと近くて
シンクロしているように感じたのです。


富山共同自家発電・葛山発電所。

東の為に
西の為に
地域の人々の為に
今日も頑張って仕事をしています。

東日本大震災で被災された地域の一日も早い復興と
避難されている方の健康と
福島第一原子力発電所で命をかけて戦っておられる
数百人の電力マンと土木技術者、自衛隊、消防、米軍の皆様の健康をお祈りします。

頑張ろう日本!!