黒部ダム建設モニュメント見学
2023/10/21 更新
令和5年の暑すぎる夏に一通のメールが届きました。
今年、竣工から60年の関西電力・黒部ダムの記念イベントが
大阪で開催されることになり、そのイベントに少しだけ出演しませんか
というお話でした。
いつものトークライブと毛色の違うイベントです。
主役は関西電力様と黒部ダムですから
色々、お勉強できることに期待して出演させてもらうことにしました。
会場のオーバルホールがある大阪の毎日新聞社のビルです。
西梅田駅から歩いてすぐ。
交差点で周囲を見回すと関西電力・本店ビルもちらり。
すごく近いな〜。
Liv-Lit、またやってくれないかなぁ。
冬場の電力供給が厳しくなっている昨今では難しいかなぁ。
◆
今回の記念フォーラムで自分が出演する第二部では
関西電力様が昨年から始めてくださった
#みずいろネット・フォトコンテストの話題を中心に
水力発電を知ってもらう取り組みをダムと発電所写真で
お伝えしようということになっていました。
それに伴って、二枚の写真を用意するように連絡を受けていたのですが
#みずいろネット的に良い写真にするか
黒部60周年なのだから黒部の写真にするか
で、まず迷いました。
いろいろ考えましたが、やっぱり黒部60周年ということで
黒部川を外すのは論外だな…と、黒部川のダムと発電所の写真を
見返していると必ずここで手が止まってしまう黒部川第二発電所と猫又堰堤。
2019年の電気新聞には2023年(令和5年)の5月には
黒部川第二発電所が全ての発電機を稼働させる計画だと載っていました
黒部ダム60周年に全台運転再開なんてお祝いが二倍になった感じ♪
でも黒部川第二発電所で一番知ってほしいのは平成7年7月豪雨です。
猫又堰堤がすっかり埋まってしまうほどの土砂が押し寄せ発電所が浸水したこと。
放水口が埋まってしまった新黒部川第二発電所を運転するために
下流に新たにトンネルを掘って1.4km下流に放水口を作ったこと。
黒部ダムが竣工した時に改造していた猫又堰堤のサイフォンは
埋まってしまっても健在で黒部川を流れて温められた水と
発電所を経由してくる黒部の冷水を分けて下流まで届ける仕事を続けていること。
何よりも、この場所に先人が作り上げた発電所を必ず復活させるという気概に加えて
さらに出力アップして後世に残すという、くろよんスピリットが継承されていて
この大変な工事が進められてきたこと。
これを伝えたい。
でもイベントでこれをのエピソードを語るには時間が足りない。
足りなさすぎる。
ということは、#みずいろネット事務局様作成動画で説明してもらったらいいんじゃないか♪
とひらめいたので当日はキーワード紹介でとどめておく作戦としました。
もう一枚の写真はどうするか迷ったのですが
関西電力様屈指の高揚程純揚水発電所の下池で
日本最後のドームアーチで
排砂バイパストンネルを装備していて
天端に入れないから誰が行ってもこの角度でしか下流面を撮れなくて
見せてほしいよぉぉぉ!!となる旭ダムにしました。
オールシーズン大活躍、昨今は太陽光発電のしわ取りで
とんでもなく稼働率が上がっている揚水発電。
ブラックアウトを起こさないために
電気の需要と供給のバランスをとり、高品質の電気を提供するための
最強インフラ、揚水発電所について語りたいけどこの日は違う。
このイベントは黒部ダムが主役。
伝えたいことがあってもTPO考えて空気読むの大事。
悪党だけど品性に欠ける輩にはなりたくない。
◆
当日、遅刻恐怖症なのでかなり早い時間に鈍行でのんびり
鹿の国を出て生駒山を越えました。
あべのハルカスがよく見えています。
近鉄・大阪難波駅から大阪メトロ・四つ橋線で西梅田まで移動。
梅田ダンジョンにはそんなに詳しくないけれど
方位と地上を思い浮かべながら地下道を移動します。
スマホは使いこなせなくても
プロトレックの方位磁石と脳内地図でねじ伏せる派。
まったく迷うことなく到着しました。
案内看板に従って会場入り口に到着。
集合指定時間の2時間以上前。
ということでドリンクコーナーで別の原稿を書いて過ごしていました。
某水系の堆砂対策と清水バイパストンネルについてなど。
ガサガサ書き物をしているうちに時間になり
控室に移動する途中で開会前の会場を撮らせてもらいました。
会が始まったら撮影は禁止になります。
控室で第一部で貴重なお話を下さる熊谷組の皆様、関西電力の皆様と
名刺交換とごあいさつ。
くろにょんの袋には黒部60周年グッズがギュッと詰まっていました。
控室に届けられたおまんじゅう。
同じ色合いとイラストで手ぬぐいやタオル、黒部の氷筍水が
60周年グッズとして作られています。
当日はそれらを販売する大町市の販売ブースもあったので
購入されたお客様もいらっしゃったと思います。
◆
記念フォーラムの第一部では何度聞いても感動する
太田垣社長のエピソードは良いなぁ♪とうふうふしていたのですが
映画「黒部の太陽」の撮影セットについてのお話を聞いてびっくりしました。
今の時代だったら安全の問題でこんなの作って撮影できないよ!というセット撮影。
元熊谷組代表取締役会長の大田様のお話が面白すぎました。
関西電力の水田様からくろよんスピリッツとナムニアップダムとか
詳しいお話を頂けたのが愛好家的には嬉しいポイント。
水力発電のエネルギー変換効率が80%で
とても優れているんだよというようなことを聞くと
にやにやが止まらない。
関西電力様の保有している発電所は152か所。めもめも。
平成7年7月豪雨や来年から始まる黒部宇奈月キャニオンルートのことも
お話しいただきました。
黒部宇奈月キャニオンルート、行きたいです。
◆
第二部ではゲストの石原良純様がお客様にダムの魅力を伝えるために
#みずいろネット・フォトコンテスト受賞作品にコメントをくださいまして
そのあと、ご自身の推しのダムとして
誰もが足を運んで親しむことが容易な都心型ダムとして宮ヶ瀬ダム
ダムと触れ合いつつ写真撮影をするポイントについての考察を阿木川ダム
で語ってくださいました。
宮ヶ瀬ダムに匹敵する関西のダムは?
という質問に黒部ダムをここで出したら…
どぼくアラモードで開催された黒部vs宮ヶ瀬になってしまうので
関西で一番人気の観光地ダムとして日吉ダムをあげました。
温泉施設にレストランにキャンプ場にかっこいいダムに芝生広場。
ダムカレーもあるし、絶対負けてない日吉ダム♪
関西電力のHpX(通称:はぴっくす)グループのおふたりからは
どこまでマニアックなんだという
発電所として内宮発電所と四村川発電所をご紹介いただきました。
水車にどんぐりが詰まるの可愛らしい。
そのどんぐりを現場で取り除いた後、貯めておいて
四村川どんぐりとしてノベルティで配ってほしいです。
水車に詰まっている間に水力のパワーが充てんされたどんぐり。
再来年、100歳になるということもお聞きしたのでまた会いに行かねば。
◆
第三部は金田様から発電の歴史とこれからの電力についてのお話を聞くことができました。
ほんとに今までラッキーが続いてきたから日本は根本的な電力不足に至ることなく
今までやってこれたのだなと目から鱗のお話でした。
さらに揚水発電についてのお話もほしかったけどさすかに時間が足りない。
ゲストの方の楽しいトークを交えてとてもわかりやすく勉強できました。
◆
ということで
黒部ダム60周年記念フォーラムは終了しました。
お家に帰ってこの日、確保したお土産を広げたところです。
くろにょん、可愛いなぁ♪
お土産を眺めつつ、この日、第二部冒頭でスクリーンに出ていた
黒部ダム建設モニュメントが気になって仕方がない。
自分はこれについて、関西電力様の五十年史で写真を確認していました。
現在の関西電力ビルディングに移る前の
本店の南玄関にあったという
モニュメントです。
見たいなぁ
見たいなぁ
本物見たいなぁ
と、イベント終了後のごあいさつメールなどで
厚かましくアピールしておりましたところ…
見せていただけることになりました♪
大阪メトロの肥後橋駅からてくてくします。
くるくる回転ドア、不慣れなので詰らない様に入らねば。
エントランスでフォーラムでご一緒させていただいた
HpXの方と待ち合わせです。
ダムマイスター仲間の佳様のおうちから
鹿の国に出張中のはぴ太、本店に現る♪
とか、怒られない程度に撮影したりしながらご案内いただきました。
こちらが本店にある黒部ダム建設時のキャタピラ跡モニュメントです。
周囲のケースにはほかにも色々いただいた賞のトロフィーや
記念プレートがたくさんありました。
黒部ダムが貰ったIEEEのプレートです。
モニュメントと同じくこのプレートも、黒部ダムと本店の両方にあります。
黒部ダムにあるプレートです。
今では珍しくはないかもしれませんが60年前に
こんなに巨大なタイヤを履かせた建機が活躍していた黒部ダム建設現場。
COVID-19で世の中、感染対策にややこしくなって
やっと緩和されてきましたがセキュリティの問題もありますし
中々、昔のように誰でも見に来ることはできないのが残念です。
なので#みずいろネットで紹介してもらえたら嬉しいですね。
モニュメントの前にあったのは旧・関電本店ビルの模型です。
場所は現在の本店ビルの横だったとか。
このビルの南側にモニュメントが展示されていたわけで…
あ、これは・・・
これだっ!!
模型にもちゃんと再現されているこれが
黒部ダム建設キャタピラ跡モニュメント!!!
すっごーい!!
という事で、黒部ダム60周年記念フォーラムにちょこっと
出していただきました御縁で以前からずっと気になっていた
黒部ダム建設キャタピラ跡モニュメントを見せていただくことができました。
ありがとうございました。
はぴ太も本店の看板はぴ太とツーショットで嬉しそうでした♪