門田貯水池 見学 その4
お水はさらさらと流れています。
砂防ダム(副ダム?)の上からもオーバーフローしていました。
砂防ダムより奥にはフェンスがあって進めません。
夏草も茂っています。藪ディフェンス。
真下からクレスト部を見上げたところ。
四角いクレスト部のゲートは橋脚のようです。
天端を左右で行き来できるようにつけられたみたいに
堤体のデザインからちょっと浮いています。
下から見上げると疑問が増す一方でした。
しかし薄い
薄すぎる
似たようなサイズの重力式とデータを比べてみました。
新滝ノ池(大阪府) | 栗原ダム(広島県) | ||
堤高 | 26m | 堤高 | 23.5m |
堤頂長 | 105m | 堤頂長 | 90m |
堤体積 | 21000m3 | 堤体積 | 8000m3 |
堤高も堤頂長も似たような感じですが堤体積が圧倒的に少ないです。
あまり不思議だったので尾道市水道局に電話をしてお聞きしました。
「すいません。各地のダムを見学して回っているダムマニアなんですが
先日、尾道市水道局様が所有されている栗原ダムを見学してまいりました。
とても変わったダムだと感じたので詳しい事をお聞きできないかと・・」
「栗原ダム・・トンネルを抜けたところにある貯水池ですか?」
「と、トンネル?(通っていない道のことだったので混乱)
ええと、重力式という事ですが凄〜く薄い造りの変わったダムです。」
「・・門田貯水池ですね。」
「はい。門田貯水池です。もしかして栗原ダムという名称は使われていないんですか?
ダム便覧によるとこのダムは栗原ダムという事ですが」
「実際のところ我々は栗原ダムとは呼んでいません。門田貯水池堰堤と呼んでいますね」
「そうなんですか。栗原ダムというのは通称という事でしょうか」
「そうですね。門田は現在、水道水としては使用していませんし・・」
「そうなんですか!」
「現在、尾道市の水道水は沼田川(ぬたがわ)からの水を県から買って9割以上を確保しています。
門田貯水池の上流にある久山田堰堤の水は現在も水道用水として使用しています。全体の8%位です。 」
「久山田堰堤も見てきました。綺麗なダムですね。久山田ダムは登録有形文化財のようですが
門田貯水池の方も堤体が凄く変わった形なのにどうしてこちらは認定されないんでしょうか」
「門田は戦後の水不足に対応するために砂防ダムを改修して作った堰堤なんです」
「え!砂防ダム!」
「はい。なので通常の水を溜める堰堤とは違ってあんな形になっているわけです」
「そうだったんですか〜」
超変わり種、薄薄堤体 門田貯水池堰堤(通称:栗原ダム)は砂防ダム出身だったのでした。
そう言われると確かにあの形は納得できます。
水道用水用のダムを砂防堰堤に改修したた事例は
鳥取県の美歎水源地で実際に目にしてきましたが逆は初めて知りました。
現在は防災上の目的もあり撤去されずに大事に大事に使ってもらえている門田貯水池堰堤。
貴重なものを見学することができました。