桂沢ダム 見学 その3


堤体下流を見下ろせるポイントに移動してきました。

左岸側、天端に下流から繋がっていたであろう橋はもう撤去されています。
ここはもう工事現場なのだと少し悲しくなります。


足元を鋼管杭で固められた新しいコンクリート構造物があります。

これは桂沢ダム本体工事中、出水があったら水を下流に迂回させる転流設備を兼ねた取水塔です。
新桂沢ダムが竣工した後には上水道と発電のための取水設備となるのだそうです。


工事が始まるまではこの天端を通って見学することができたのでしょう。


天端の親柱をズームしていると“桂沢堰堤”の文字が見えました。


対岸に紅白のマーカーがあります。
堤高が11.6m高くなるのです。
今あるローラーゲー支柱より高いくらいでしょうか。


新桂沢ダムは今ある桂沢ダムを完全に取り込む形で嵩上げされます。
下流に新堤体を作る新丸山や夕張シューパロとは異なる工事方法です。


融雪出水で
洪水調節で
ずっと頑張ってきました。

表面のコンクリートは剥離もなく美しく
丁寧に慎重にこの極寒の地でその役目を果たすために
精魂込めて施工されたのであろうことを教えてくれます。


桂沢ダム
1957年竣工

桂沢ダムが竣工した後にダム技術はどんどん進みました。

RCDやELCMといった面状工法が世に出現しました。
工期はとても短縮されるようになりました。

コスト縮減という名のもとに台形CSGダムという物も現れました。

各地で進むダムの再開発事業

そこで耳にする声に昔の技術の高さと
昔のコンクリートの品質の素晴らしさがあります。

新桂沢ダムの基礎としてこれからも立ち続ける桂沢ダム。
その工事の時にまた
昔の技術者の方の気概を感じられるエピソードが
現場の方からたくさん出てくるかもしれません。

北海道の重力式コンクリートダムのマイルストーン。
桂沢ダムの再開発工事が安全に進むようにお祈りして見学を終えました。