蛇ヶ洞ダム 見学 その2

管理道路に入るとそこはとても綺麗に整備されていました。
春にはきっと桜が綺麗なんだろうなと思える道路をどんどん進んで
上って下って堤体のすぐ近くに到着しました。


目の前にあるのは取水塔まで続く橋です。
真っ赤な塗装が素敵です。
これ、新緑の頃に来たらもっと素敵かも♪

「ダムは・・ここからくらいしか見えないんですが」


と、示して頂いた灌木の向こうを覗き込むと主堰堤の天端が。

「うわ〜っ。これは凄い。薄っ!!流石、砂防堰堤」

間違いなく砂防堰堤のデザイン。
この主堰堤の下流面の角度といい
水通し部といい
完璧な砂防堰堤。

「これって不透過型砂防堰堤ですね。」
「えーと。ちょっと今見えないかもしれませんが一番下にゲートが一つあるんですよ」
「え、どれでしょう」
「四角いやつですが」
「・・・・見えません・・・」

案内してくださった方と私の身長差でしょう。
一生懸命、眼を凝らしましたが判りませんでした。
くすん。


ダム湖を見ると薄く氷が張っているのが判りました。
冬ダムならではの美しいダム湖です。

「ここって集水域、小さいですね。こんなに緑がいっぱいだし。
砂防堰堤が必要な位荒れた場所だったんですか?」

「今はとても緑がたくさんありますが当時、この周辺ははげ山ばっかりだったんですよ。
ここの地質が古い花崗岩質なので」
「あー。風化してもろくて崩れやすいわけですね」
「2000年の東海豪雨の時にはかなり崩れました」
「貯水容量にかなり影響でましたか」
「少なくはなかったですね」


取水塔の方にも連れて行ってもらいました。
真っ赤で可愛い手すりです。


振り返って来た方を見たところ。
堤体の真横のダム軸の山が高いのです。


取水塔までやってくるとこんな風に上流面が見えます。
後2メートルほど水位が上がったら水通し部分から越流します。

「この主堰堤は堤高何mなんですか」
「20.0mです」
「堤頂長はどのくらいですか」
「67.0mですね」
「かなり大きいですね〜」

蛇ヶ洞砂防ダムのある瀬戸市は上水道の水源として
馬ヶ城ダムをすでに保有していました。
更に人口増加に伴い、愛知用水の水も貰うようになりましたが
更に水が必要になってきました。

そこで、砂防堰堤を造るという話が持ち上がった時に
水道用の水も取水できるようにと
貯水・取水機能を持たせることになったそうです。

「ここは(瀬戸市の中でも)高い場所にあって水の汚染もほとんどなく
とても良い水が取れるんですよ」
「あ、なるほど。山の上ですもんね」
「この少し下流で七曲川という川に合流します。
そちらからも水がきますし下流にはオオサンショウウオも棲んでいるんです」
「お水がきれいな証拠ですね♪」


瀬戸市の蛇ヶ洞砂防ダム

形は間違いなく砂防堰堤
でもその役割は水道用水の確保と砂防のふたつ。

貯水機能を有していて取水塔まで持っていて
大切な水源として使われているダムです。

砂防堰堤ではありますが立派な貯水ダムの仕事をしています。

変わり種ダムとしてたくさんの方に知って欲しい蛇ヶ洞砂防ダムでした。

 

おまけ


「あのー私がここに来たきっかけは
この場所に“天神池”いうアースダムがあるらしいという
情報からだったんですが、近くに堤高16mくらいの
土堰堤で天神池ってありますか?」


「うーん・・・聞いたことないですね」

という事で確認できませんでした。
違う場所にあるか無くなっちゃったのかもしれないです。
ちゃんちゃん♪