高原川の砂防 見学 その1

2010/7/9 更新

日影第一号砂防堰堤を見学する途中で高原川の砂防施設をまたまた見に行きました。

前回は通過してしまった、たから流路工です。


たから流路工は高原川本川に広範囲に設けられています。
高原川には沢山の小河川、沢筋から水が流れ込んでいます。
これはそのうちの一つ、尻高谷という谷にある尻高谷第1号砂防堰堤です。
国道の横にあります。

平成14年竣工の新しい堰堤です。
観光地という事もあってか景観を損なわないようデザイン的にも優れていますね。
すぐ横に保育園があったりします。


河原は整備されていて公園のようになっています。
散策路が整備されているので安全に見学できますね。


散策路の途中に説明板♪


一見シンプルですが地図は凄く細かいです。

国土交通省北陸地方整備局 神通川水系砂防事務所で紹介されている
このエリアの航空写真をご覧ください

平湯川と蒲田川が合流するこのエリアはたびたび洪水による大災害を受けてきました。
水源である北アルプスには3000m級の山々がそびえ
活火山である焼岳から昔噴火した時の土砂が堆積しています。

大雨が降ればこれらの堆積した土砂が土石流となって下流に流れ下り
大きな災害を引き起こしてきました。

たから流路工は広い川にたまった土砂を抑えるために自然の木を植林し
景観に配慮して自然石を配置するという手法で
川の流れと土砂の流れをコントロールするために設けられた施設です。


凄く細かい地図の拡大図。
現在地はここです。


で、主役を見ようと川の横を歩くのですが
どれが堰堤かさっぱりわからない。

ここまでカモフラージュされたらパッと見てわからない。
デザインした方にしてみれば満足でしょうね〜。


おぉ、これは堰堤だ。
間違いない。
しかし現地調達されたんでしょうけど良い石使ってますね。
こんなにでっかいのが上流からごろごろ来たら怖いです。

でも、実際にそういう災害が在ったんです。
ここには何度も土石流被害が在ったのです。


こうして見ていると整備された美しい川の姿しか眼には入って来ませんが
直轄砂防事業が入ったという事は大規模災害が在ったという事でもあります。
県の力だけでは対処できないほどの災害が繰り返しあったからこそ
国が事業に乗り出してくれたのです。