胆沢ダム 見学 その1

2019/11/21 更新


夏らしい晴れた空の下、向かっているのは
北上川5ダムに新しくメンバー入りした胆沢ダムです。

2013年竣功の新しいロックフィルダムです。
堤高は127.0mあります。


最初にやってきたのは右岸の展望台です。
奥州湖眺望台と名前が付いています。
ここからはダムを見下ろすことができます。


展望台から見える絶景を紹介している説明板がありました。

社長様が東北の専門家の方から詳しく説明を受けておられるのを
後ろからこそこそ聞き耳を立てていました。


社長様がとても注目しておられたのがこの胆沢扇状地でした。

扇状地はあちこちで見られますが
最もティピカルな扇状地という事でパッと頭に浮かぶのは
やっぱり黒部川。
あの愛本堰堤の下流で広がる絶景です。

庄川もそうですが扇状地が広がった後は海に続いたりしている
イメージが富山でついてしまいました。
実際は海に扇状地の端が到達しているところは少なく
平野に接続していることが多いわけですが。

ここ、胆沢扇状地は説明板にも書かれていますが大きさで日本最大級。
扇状地の端は海まで続いているのかと思ったのですが
その先にあるのは北上川本川です。


胆沢川は日本最大級の扇状地で北上川本川に接続していたのでした。
扇状地の下に更に大河川がある事例を知らなくてびっくり。

扇状地には水田が広がっています。


国内最大級の扇状地いっぱいに広がる水田に水を安定的に届けるために
胆沢ダムはこれだけの大きなダムとして生まれてきました。

しかし…

「めっちゃ水位低い…」
「胆沢が竣工してなかったら一体どんなことになっていたか…」
「想像するのも怖い」

2019年
東北地方と新潟県などで雪不足と少雨がたたり
渇水が心配されていました。

新潟のダム仲間からはお便りで
「“天水田”の稲の葉の先がわずかに茶色くなり始めており心配です」
というエピソードを聞いたのが初夏の頃。

天水田という単語が初耳だったので教えていただきました。

水路で水を持ってこないで山からの自流分で賄う水田の事だそうで
山が貯め込んでいる水が尽きたら大変なことになるわけです。


左岸の洪水吐からも水面が遠い遠い。
繋船設備のインクラインでもフロートが低い低い。


きゅっと曲がった天端の向こうに見えているのは管理支所です。
ダムがでっかすぎて建物がめっちゃちっちゃく見える。


すーーーっと伸びる洪水吐水路。
その側面に左岸からぶち当たる沢筋にはきっちり砂防堰堤が。
保全対象は洪水吐水路♪


水路の端は壁も丸みをつけて可愛らしくなっていますが
そもそも
巨大すぎるから。
可愛らしいにも大きすぎて無理というのはあるかも。