高原川のダム 見学 その1

2009/11/9 更新

発電用の取水堰堤はダムを名乗るのに堤高は関係ありません。
河川法によるダムが否かの基準は15mですが
電気事業法におけるダムの扱いはそれとは異なりますので
堤高に関わらず電力会社の発電用堰堤はダムと呼べるのです。

我々がデータベースとして日々、活用している
日本ダム協会様のダム便覧には掲載されていませんが
発電用堰堤は各地にそれこそハイダムよりたくさん潜んでいるかもしれません。

今回紹介する神通川の上流、高原川の富山共同自家発電が所有する発電用ダムは
いずれも堤高が15m未満の為、ダム便覧には掲載されていません。



高原川沿いに走るR471。
国道のすぐ横にある高原ダムです。


堤体の横はフェンスでしっかりと閉ざされていますが川の横は柵なのでここから堤体を見られます。


国道側にゲートが2門あります。
ローラーゲートです。
排砂用の物でしょう。
堤体の少し上流に取水口があります。


堤体の方を見るとまず目に飛び込んでくるのが
凄い水量を流している魚道。
大概の水量です。
勢いが良すぎて見ているだけで楽しくなるほどの水量です。


ちょっと下流側に移動して全景。
しかしこの魚道の水は見ていてわくわく。

ま、曲がれんっ
曲がりきれんっ
うぉぉぉぉ
はみ出るっ!!

って感じの勢いで流れているんで
水が大慌てしているような印象が。

いや、魚道から溢れた所で何ら問題はないんですが。
お魚はもう一回トライしてね♪
お水は下流に河川維持用水としてちゃんと流れるよ♪
というだけのことなんですが。

水量の多い魚道は見ていて楽しい。


そしてこれがメインの越流部。
凄い年季の入ったコンクリートの階段。

階段状越流部です。

この位の堤高なら一定角度の傾斜で
てれ〜ん と、なだらか〜 な越流部にしていることが多い取水堰堤。
神通川上流部ではそれではとても堤体が持たないという事なんでしょうか。

段に目を凝らすと角がとれてかなり痛めつけられている様子が見てとれます。
複雑な造りにすることはそれだけ手間がかかりますし補修も大変。
でもあえてそれを選んでいるあたりにこの川ならではの理由があるはず。


平時はこのように魚道でどっさりお水を流していますが
出水時にはこの100mを超える川幅いっぱいに水が押し寄せるだろう高原川。
上流の堆砂、下流の岩と礫。
出来るだけ洗掘を防いで河床を安定させたいという事でこの形になったのかなぁ
と、素人なりに思いを巡らせますが、きっちり文献で調べないとこればかりはなんとも。

なぜこの階段状越流部にしているかは謎のままで次に上流の今見ダムへ。