井川ダム+長島ダム スクリーンデビュー記念

『ヘブンズ・ドア』ロケ地回想

静岡県を縦断する大河川・大井川の両雄

 中部電力 井川ダム
 国土交通省 中部地方整備局 長島ダム

の二基がスクリーンデビューしました♪

ヘブンズ・ドア(2009年2月公開)という映画です。

公式webサイトで見られる予告編には一瞬ですが
大井川の神殿・井川ダムのホロー内部と
長島ダムの右岸下流側にある大井川鉄道・旧井川線トンネルが
映っていました。

気づいてしまったらもう矢も楯も・・
という事で大急ぎで見に行ってきました。

映画では井川→長島と登場するために
両方のダム見学をした者としては
「井川の左岸下流から長島の右岸下流かっ!?」
と、非常に吃驚したのですが(笑)。


映画ですから。
井川ダムと長島ダムだという説明があるわけじゃなく
あくまでシーンとして登場するのでリアルに考えちゃいけないのは
重々わかっております。



“大井川の神殿” 中部電力の井川ダム

井川五郎ダムの別名を持つ国内初のホローグラビティ(中空重力式)ダム
堤高:103.6m
堤頂長:243.0m
堤体積:430,000m3
クレストゲート3門(フラッシュボード全門装備)
1957年竣工

井川ダムと言えば神殿。
ホローグラビティの空間です。

それは
高さ80m余りの平たい六角錐の空間です。
水銀灯の鋭いグリーン
ナトリウム灯の眩しいオレンジ
天空から降りてくるかのような階段
そびえたつエレベーター塔
湿った空気は冷え
見上げる最奥には外の光が小さく六角形に見えている

この空間は訪れる者に畏怖の念を抱かせます。

全てが厳かで無機質で鉄とコンクリートで
とにかく国内にこれ以上カッコいい場所って少ないだろう!!
と個人的に思ってます。

この場所を初めて知ったのは土木写真家の西山芳一先生
日大の伊藤 孝先生とお二人で連載されていた
業界紙「CE建設業界」の井川ダムの記事でした。

西山先生の写真を見て、どうしても井川ダムのホローを見たいという病にかかり
中部電力の皆様の御厚意で見学させて頂いたという経緯があります。

映画のパンフレットによると
監督のイメージにぴったりだった(!)というこの場所。
良く見つけましたね…
マニアの中でこそ有名でしたが一般には知られていない場所なのに。

多分、この西山先生の写真を映画製作のスタッフの方がご覧になって
中部電力に撮影申込をされたのでしょう。


井川ダムが最初に登場するのがこの8-9ブロックの間のホローの通路。
井川ダムでの最後のシーンもここが映りました。

ここから俳優の皆さんが監査廊を通って11-12ブロックのホローに移動。


11-12ブロックのこの天空へ伸びる階段。
井川ダムで一番カッコいい場所です。


12-13ブロックのホローから監査廊を真横に覗いたところ。
このトンネルの向こう側でのシーンが割と長かったです。

 
11-12ブロックのシーンは←で示したあたりで進んだみたいです。


この階段は通常監査廊からの脱出に使うようなものでは無いですが
何故かここを走るシーンもあったような・・・
絵的に美しくスピード感がでるから入れたんでしょうね。

あーあーあーあー
羨ましい。

映画を見るまで“井川ダムでロケがあったらしい”という情報しかなかった時には
あの11-12ブロックのホローを

 余命3日=真っ暗な今の場所=井川ダムの監査廊
 天空に伸びる階段=天国への階段
 ホローの頂点=ダムの外=ダムの外は普段自分が見慣れた風景
 普段の生活=見慣れた風景=ありふれた日常が一番の幸せ

というイメージで使われたのじゃないかとか妄想しまくっていたのですが

大はずれ

純粋にかっこいい空間として撮影されていました。
妄想し過ぎでした。

井川ダムの見学は中部電力の公式見学会でのみ可能です。
突然行って中に入れてくれと言われても絶対に見られません
公式見学会については中部電力のプレスリリースを参照してください。



“大井川の守護” 国土交通省 中部地方整備局 長島ダム

国内最大級の常用洪水吐を誇る重力式コンクリートダム
堤高:109.0m
堤頂長:308.0m
堤体積:861,000m3
コンジットゲート6門
クレストゲート2門
ジェットフローゲート2門
2001年竣工

周辺の公園整備が素晴らしくトータルデザインがこれだけ整ったダムは
もう国内で作られないのではと言われた完璧なダム空間を持つ長島ダム。
大井川鉄道の駅も横にあり電車でアクセスができるというメリットもあります。

「森と湖に親しむつどい2006 奥大井接岨湖フェスティバル」のメイン会場にもなりました。
ダム天端のショッピングモールとたくさんのお客さんが訪れたダムの風景は
これぞ地域に開かれたダム
ダムでお祭りの素晴らしい形
として今でも思い出すのが楽しいイベントです。

井川ダムと共にこの長島ダムにも電車でアクセスが容易にできるダムです。
大井川鉄道の旅とダム見学という素晴らしいロケーションなのです。


地図の中央やや左寄りにある「旧井川線トンネル」
ここがロケ現場になりました。

 
右岸下流側の大井川鉄道・旧井川線のトンネルはダム天端から見るとこんな感じです。
←のように主役のお二人が通られました。

 
下流側から見ると出口はこんな風に見えます。
ここでのヒロインの演技は素晴らしいものでした。

まさかあれがダムの横のトンネルだとは
現場を知っている人でないとピンとこないと思われます。

長島ダムの周辺はどなたでも1年365日、自由に散策することができます。
天端、ダム下流、ダム湖側、すべてのビューが解放されています。
そして説明板も各所に充実しているので事前学習無しに訪れても
現場でダムの働きをしっかり勉強することができます。

駅近(駅横!!)でパーキングも充実しています。
美しい公園のようなダムサイトですので非常にお勧めです♪

国土交通省のダムですからダムの見学も平日に受け入れてくださっています。
事前に長島ダム管理所に電話などで見学日について予約される事をお勧めします。
普段見られないダムの内部を見せていただけます。

ダムも映画も是非たくさんの方に見ていただきたいです。

エンドロールに「中部電力」のロゴマークと
「国土交通省 中部地方整備局 長島ダム」
の名前が出るのをチェックしてください♪)

back

home top