長谷ダム 見学 その5

ダム湖は裸地がよく見えていて水位変動が激しい事を教えてくれます。
今までは電力需要のピーク時に使われていた揚水発電ですが
原子力発電所の停止によりピークより早くから
長い時間、発電を頑張らなくてはならなくなったのです。
揚水発電の運転については関西電力様のHPにある
「揚水発電のしくみと供給力について」
の動画がとても分かりやすいのでご覧になってください。

天端を渡りきって右岸から見たところです。

そして勢いよく副ダムに流れ出るというか飛んでいる河川維持流量と思しき放流。
変わった配置ですね。
長谷ダムは平成2年にできたばかりのダムです。
そしてすべてのダムに河川維持流量が義務付けられたのは平成9年。
もしかしたら後付けなのかもしれませんが不明。

ダム湖にあるコースターゲートのレールもこれまたかっこいいです。
旭ダムでもかっこよかったけど。

右岸からは先ほどほのぼのしていたエルビレッジおおかわちの上にあった開閉所が見られます。
ここで造られた電気が都市部に送られていきます。
送電鉄塔を通って町に届きます。
原子力発電
火力発電
水力発電
太陽光発電
風力発電
電気を生み出すのにはいろいろな発電方式があります。
そしてそれぞれの発電方式には出力調整という面で得意、不得意があります。
電源のベストミックスとしてよく知られる図がこれです。
なぜ組み合わせるのかというと
組み合わせたほうがメリットが大きいからです。
町を支えるだけの大量の電気というものは
あらかじめ作って貯めておくことという事は出来ません。
必要量を予測して発電所を動かし停電にならない量を発電するのです。
過剰に発電するとそれはそれで送電系統に高電圧負荷がかかり危険です。
電気の使用量は昼間に多く夜間は減ります。
ベースロードと呼ばれる部分は原子力と流れこみ式水力が得意とするパートです。
ミドルサードは火力(蒸気タービン型)が得意とするパートです。
ピークは火力(LPG)と揚水が得意とするパートです。
揚水発電は水力発電には違いないのですが
一般水力とは別に考えなくてはいけないものです。
仕組みは普通の水力発電と同じです。
高い所から水を落として水車を回します。
高い所にあるダム(上池)と低い所にあるダム(下池)とその間の発電所で一組になっています。
一般水力と違うのは発電に使って高い所から落とした水を
くみ上げて何度も使えるようにするという点なのです。
高い所から低い所に水を落とすのには燃料も力もいりませんが
低い所から高い所に水をくみ上げるためには力が必要です。
揚水発電所ではポンプで水をくみ上げています。
このポンプを動かすために電気が必要になります。
電気を作るのにまた電気がいる
と思うと変な仕組みと感じる方もいるかもしれませんが
ベースロードの部分で夜間は電気が余ることを考えると
無駄のないものであることは分かっていただけると思います。
この余る部分でポンプを動かすことで夜の間に上池に水を貯め込むのです。
揚水発電は、夜に高電圧になるのを防ぎ、系統の負荷の軽減にも役立っています。

源平桃の花越しに堤体を見ます。
今年の夏も目いっぱい頑張らなくてはなりません。
社会と人の暮らしを支える電気
その大量の電気を瞬時に生み出すことができる実績のある揚水発電。
ベースロードを担う発電とペアで動くピークの要です。
頑張って働く男前の長谷ダムと太田ダムファミリーでした。
おまけ
エルビレッジで見た素敵なもの
ダムカードをもらおうと思って受付に行ったところ
カップルの方がタッチの差で受付に。
発電所見学なのかなと思ったら
「ダムカード下さい」
と、女性が仰ったので吃驚しました。
吃驚してカップル後ろで待っていた時に目に飛び込んできたもの

陶器でできた長谷ダムの置物があったのです。
これ凄〜い・・
売り物で作ったのかな?
導流壁の角度とかばっちりだし・・
あああ
クレストの洪水吐の数までぴったりだ

長谷ダムを忠実に再現した陶器です。
吃驚したので
もし、売り物だったら買いたいなと思って
受付の方にお聞きしました。
「すいません。ダムカード下さい」
「はい。お一人ですね」
「はい。あ、そこにある長谷ダムの置物なんですけど・・」
「あれですか?」
「同じものをお土産とかで販売しているんですか?
売っているなら欲しいなーって思って」
「いえ、あれは売り物じゃないんです。一つしかありません」
「え!!ワンオフものですか」
「このエルビレッジおおかわち初代館長の手作りなんですよ」
「えええええ!!凄い凄いっ!!」

という事でこれは
初代館長様の愛が思いっきりこめられた陶器だったのでした。
エルビレッジおおかわちに行ったらぜひ愛でてあげてください。
丁寧に作られたその造形に作った方の愛が滲んでいます。