日本ダムアワード2021

2021/12/31 更新


令和3年クリスマス。
帝都は渋谷の東京カルチャーカルチャーで毎年恒例になりました
日本ダムアワードが開催されました。


ダムアワードは2017年に出演して以来、ブランクがありましたので
スライド作るのにとても苦労しました。
他のイベントに比べて極端に時間がタイトなので。

今年も素敵なダムのエピソードがいくつも紹介されて
やっぱりダムのお祭りだな♪と楽しい半面とても大変。

◆ ◆

各賞のプレゼンテーションが終わった後、投票用紙の集計時間に
今年一年を振り返るダム10大ニュースの発表も非常に盛り上がりました。


福岡県のダム印を集める御朱印帳ならぬ『ダム印帳』の紹介では
福岡からお越しくださったお客様がコンプリートされていて
壇上でそれを紹介してくださるというサプライズもおきました。


いつか見に行きたいと思っている人も多い
上椎葉ダムの天端から打ち上げられる椎葉村の花火大会は
まさかの大雨で、現場に入っていた選考委員も呆然となってしまったという。


本格的に観光放流イベントを開催してくれるようになった
上椎葉ダムですが、今年はまさかの水不足。

クレストゲートの越流部まで水位が到達していなかったために
残念ながら中止になってしまいました。

しかし、県内外から100人を超える人が駆けつけてくれたため
せっかく来てくださったのですから…と、放流は無くても
キャットウォーク開放など、現場に詰めておられた九州電力の皆様が神対応。
大変な反響がありました。


そして中止のプレスリリースでは
『九州電力宮崎支店と椎葉村は、今後もあらゆる機会を捉え、奥日向の魅力を発信してまいります』
という文言に賞賛の拍手が。

来年に向けてしっかりお水がたまりますように。

建設中のダムやダム建設現場でのCOVID-19のワクチン職域接種など
時事ネタもたくさん盛り込んで紹介された後、いよいよ結果発表となりました。

放流賞は小石原川ダム
低水管理賞は一庫ダム
イベント賞は小渋ダム
洪水調節賞は佐賀県管理13ダム
ダム大賞は丸山ダム(木曽川)
が受賞となりました。

ぱちぱちぱちぱち。



放流賞に輝いた水資源機構の小石原川ダム。


公式発表のプレスリリースです。
令和3年5月20日19:30分サーチャージ水位到達でした。


小石原川ダムサーチャージ水位到達した時の水資源機構・筑後川総合管理所のtwitterです。
非常用洪水吐からの越流動画が公開されていました。


試験湛水、サーチャージ到達ということであれば
全国からダム愛好家の猛者が駆けつけるはずですが
小石原川ダムにはだれも行くことができませんでした。


ダムへの道が通行止だったのです。

そんな状況だったので試験湛水の放流映像がHPやtwitterで公開されたことは
ダムファンにはとても喜ばれました。

ということでこの美しいカスケード洪水吐水路の映像を是非にと
お願いして映像をお借りし、放流賞にノミネートしました。

しかし

当日、私の勘違いで間違ったエピソードを口走ってしまったので
それに気づいてから、いかーん!!訂正しなくては!!
と、大慌てで管理所にごめんなさいの電話をしました。

実は追加エピソードが一つあったのです。

今年は、COVID-19が猛威をふるったこともあり
色々なダムの頑張りに愛好家の目が届かなかった可能性が高いことから
各ダム管理所に、是非、自薦を!!と、お願いした時、小石原川ダムは
試験湛水の最高水位放流ではなく、全量貯留の洪水調節・防災操作を
ご紹介してくださったのです。

そのエピソードが頭にあったのですが
サーチャージ水位到達と
全量貯留の日付がこんがらがった状態で
試験湛水が終わった後の降雨で全量貯留したのを
「洪水調節した後にサーチャージ到達した」
と、間違った順番をわざわざ付けくわえてしまったのです。

混乱させてしまってホントにすいませんでした。

小石原川ダムが受賞したのは
みんな見に行きたかったけど行けなかったから
カスケード洪水吐水路の水が本当に美しかったから
という気持ちが大きかったのではないかと思ってます。

◆ ◆

洪水調節賞の時間がもっとたくさんあって
枠も多かったら紹介できたかもしれない
小石原川ダムの全量貯留の防災操作。


ということで、小石原川ダムが頑張っていた時の様子を
収集していた資料でみてみます。


試験湛水直後で本格運用開始日は10月15日なので
この雨の時はどういう状態だったのかなぁと良く分かりませんが
試験湛水ばっちり成功♪直後という事だけは分かっています。

川の防災情報にはちゃんとダムアイコンもあり
データもリンクされていて竣工しているダムと同じく
データを見ることができました。

地図ではダム建設中になっていますが令和3年3月22日に建設事業完了式を終えています。


そして、なんでかな〜と思うのがここでして

「こいしはらがわにつくられたこいしわらがわだむ」

というところ。
どっちかに統一してほしかった。

まぁ、でも、みんな小石原川ダムって呼ばないで
小石、小石、って読んでますけど。

なのでイベント中に「小石(原川)に恋して♪」なんて素敵な呼び名もついたわけで。



東京オリンピックが終わった直後にやってきた大雨。
8月14日12:00の衛星画像です。
広島県・島根県を流れる江の川では氾濫が発生しました。
佐賀県では県ダムが全員力を合わせて頑張りました。



川の防災情報では当たり前のように流入量と放流量が出ていました。
ダムへの流入量がどんどん増えていく中、放流量は0.15m3/sです。

河川維持流量しか流していないからです。



流入量と貯水位がどんどん右肩上がりで増えていくのに
放流量はずーーーっと河川維持流量だけだというグラフ。



防災操作の後に発表されたプレスリリースです。
全量貯留の文字がきらきらしい♪



前線性降雨で8月11日から15日までの流域平均総雨量が812.5mmという
相当、激しい雨だったのです。
小石原川ダムが完成していてホントによかった。



試験湛水で一度上げた水位を最低水位まで下げきったのが
この雨が来る前、8月5日20:10のことでした。



8月6日、筑後川上流総合管理所・公式twitterでの発表です。


お見事最低水位まで下げきりまして試験湛水終了。

すっからかんになったダム貯水池。
そこにこの雨がやってきたのです。



8月11日から15日にかけての小石原川ダムのハイエトグラフとハイドログラフです。

すっごーい。
全量貯留。

いや、もう、ホントに
最低水位まで下げきってからの豪雨でよかった…。

八ッ場ダムが試験湛水中に洪水来て一発満水を達成しましたし
小石原川ダムも試験湛水の直後に洪水が来て…
ということは川上ダムも気をつけなくては凄いの来たらどうしよう…

と、ちらりと思いましたが
木津川戦隊ゴレンダムは日本トップクラスの高度管理ダム群なので
そこまで心配いらないかな…とも。

という試験湛水後の大騒ぎを乗り越え
10月15日から本格運用になりました小石原川ダムです。


無事にイベントが終わった後に写真撮影。
ああ、リアルイベントはやっぱり楽しい。
オンラインとは全く別物。

リアルイベントいいなぁ♪
でもお客さんの方が気持ちが楽だなぁ。

と、一度、ずぼらを覚えるとなかなか一線復帰は困難だと感じました。


という事で少〜し、帝都でいつものように聖地めぐりもしてノルマを消化して
大雪警報が出る中、地元、大和川水系に戻ったのでした。
新幹線の遅延がでる少し前に鹿の国にたどり着きました。

来年はまた後方支援で頑張りたいです。
前線はしんどいです。