別子ダム 見学 その4

そんな凄いダムが沈んでいる別子ダムなのですが
現在はこの七番ダムを見る事ができません。
渇水時には天端が顔を出すという事なので
撤去はされていないようですが。


以前来たときはあまりの狭さに愕然とした旧別子登山口前は
道路整備に伴い、駐車場が新設され
凄く美しく変身していました。

これで観光客がもっと来てくれると嬉しいです。


旧別子登山口より少し下ったところから堤体を。
見渡せるところが本当にないです。
私企業のダムだから見学などにも対応していないようですし
せっかくの70m級の堤体なのに 残念です。


別子銅山の開発により新居浜に向かう国領川に
山を越えた銅山川(吉野川水系)から水を持ってくる事で
発電と工業用水を賄うという事で始まった別子分水は
当時こんなルートで、端出場発電所まできていたらしいのです。

別子ダムが完成したのは昭和40年。
それまでに端出場発電所に送水するための
取水ダムはいくつかあったと思いますが
七番ダムはそのうちのひとつだったのではと予想されます。


この堤体がどの場所にあったのか地形を見比べます。


これは別子ダムが建設された直後、昭和40年、試験湛水後
運用が開始された後のダム湖の写真です。
網場がある辺りに堤体は沈んだとの事。


別子ダム、ダム湖です。網場が見えています。

ここには堤体が沈んでいます。
それは石張りのアーチ型の堤体です。
七番ダムという名前だったようです。

日本の経済発展を支えた鉱山が有していた堤体。

別子ダムはビューポイントに恵まれませんが
こんな凄い堤体を隠している珍しいダムなのです。

旧別子にハイキングに行くときには
ここに素敵な堤体があったのだという事を
観光客の方々に知ってもらえるように
旧別子の入り口にでも情報を提供してほしいな、なんて思った
別子ダム&七番ダムが沈んでいる場所の見学でした。

 

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