綾北ダム 見学 その3


堤体の横にはこのように立派な説明板があります。

綾北ダムは洪水調節と発電を目的とする多目的ダムです。


しかしただのアーチダムではありません。

この堤体断面図をご覧ください。
他のアーチダムでは絶対にない物が描かれています。

国内で確認されているアーチダム52基(個人的には53基)。
その中でもこんな変わったつくりのダムは他に一基もありません。
(ダム便覧ではまだその姿が写真に収められていない2基も
このようなゲートは持って居ないことは解っています)

アーチダムのコンジットにラジアルゲート

通常、アーチダムのコンジットにはバルブかローラーゲートが採用されます。
堤体が薄っぺらいから水平にスペースをとるラジアルゲートは設置が難しいはずです。

なのに綾北ダムにはコンジットにラジアルゲートを設置しているのです。
これは凄いよ!

このコンジットを持っているからどうしても見たいと気合を入れてやってきたのです♪


堤体の下流にスキージャンプ式の土台を造り
ゲート室を堤体から生やすごとく設置したこのデザイン。

写真を見た瞬間に

  理解不能だ

という言葉しか出てきませんでした。

まぁ、素人が理解できようができまいが綾北ダムのコンジットゲートは
毎年毎年良く働いていて別に不具合もないわけで
独自路線を突っ走っていますがダムの機能に何ら問題はないのです。

管理所で職員の方にお話を聞いた後、堤体見学に向かいます。


普段は入れない天端に向かいます。
当然のごとく、綾北ダムにはエレベーターはありません。
キャットウォーク移動です。


キャットウォークは最近、新しくつけ替えられたそうです。
以前は幅70cmのかなり狭いものだったのですが
新しいものは1m10cmの幅があります。

流石に70cmの幅だったらかなり怖いキャットウォークだったと思います。
という事で数年前だったらどんなにお願いしても許可が出なかったであろう
キャットウォーク経由ゲート室見学です。

絶対にご迷惑をおかけしません
写真撮影時は手すりから手を離すこともあるので安全帯を持参します
なのでお願いします!!

と、お願いにお願いしたところ
県のダム担当者の方が一生懸命手配をして下さり
特別にキャットウォークの通行許可を頂くことができたのです。
有難い有難い。

見学には申請書も必要です。
いきなり行って見せてくれと言っても絶対無理ですので。