浅河原調整池 見学

2022/2/21 更新


宮中取水ダムから移動してきた浅河原調整池です。
綺麗なアースダムですがこの日は水がありません。


天端は管理用通路。
しかし対岸にある中学校に通う生徒さんは通学路として使用して良いようです。
いいなー。


凄く狭い谷というわけではなく、むしろかなり広い谷に見えます。

元々ここは信濃川の支川の一つである浅河原川が造った渓谷だったそうです。
堤高は37.0m、堤頂長が291.8mというかなり大きななアースダムです。


抜水された貯水池です。
発電所のメンテナンスか貯水池のメンテナンスかは解りません。


貯水池の中に大きなコンクリート構造物が見えています。
巨大な箱状で上部に窓のような穴が均等間隔で設けられています。


下流側に少し移動して見た堤体です。


貯水池内が何やら賑やかなので目を凝らすと建機が働いています。


フレコンパックが見えました。
浚渫工事のようです。
対岸に移動したらよく見えるかもしれない♪


くるっと下流側を回り込んで天端左岸側に移動してきました。


先ほど見えていた箱型の構造物は
こちらから見ると窓のような穴がありません。

これは第1余水吐だそうです。
余水吐はもう一つあって、少し貯水池の中央寄りにある
小ぶりなものは第2余水吐だそうです。

貯水位が上がれば開いている穴から水が入りこみ
余水路を通って信濃川に流れ出す仕組です。


貯水しているところはもっと素敵だと思いますが
抜水時はそれはそれで貴重な眺めなので
しっかり見たいのですが雨がひどい…。


上流面勾配はこのくらい。

それにしても綺麗な緑に覆われていますね。
障害物がなくて日がよく当たる場所なら
ワンシーズンで余裕でこのくらい下草が生えてしまうのは
よくある風景だなと思います。
肥沃な土と豊富な水と日光があれば植物は繁茂。

ちなみに貯水池側には波浪により浸食防止目的と思しき石が
表面に綺麗に並べられています。


堤体下流側を見ようとしたら何かがぽつんと設置されていました。


基準点ですね。
横っ腹の「工」の文字は何の略なのかな。


貯水池内で一番大きなコンクリート構造物。
宮中取水ダムからの水が届く連絡水槽です。
周囲では忙しくバックホウが浚渫作業中。


わーい♪
ロングアームのSK210LCだー。
掘りまくってるー♪


連絡水槽の中からホース使用のポンプアップで水が出ていました。
作業に伴う排水のような印象でした。


場所を変えて湖底を眺めます。

かなりの堆積土砂なのだなとびっくりしました。
浚渫工事が何年に一回のペースで行われるのか判らないですが
浅河原調整池は貯水容量106万5000m3あります。

さすが信濃川本川の宮中取水ダムからの水が届くところだなと
納得してしまいましたが堆砂は敵なので可能な限り砂は来てほしくない。
下流にうまく流れてほしい。

小千谷信濃川水力発電館・おじゃ〜るに展示されている資料によると
戦前の水道用アースダムで有名な東京市の村山上、村山下、山口貯水池の
土堰堤を参考に計画、設計を行ったという事です。

浅河原調整池が完成したのは1945年(昭和20年)だそうです。
着工は1931年(昭和6年)です。

信濃川発電所の計画の第1期工事で着手しましたが
宮中取水ダムと千手発電所が先に運開となりました。
第1期工事では千手発電所までの沈砂地や水路トンネルに
浅河原調整池連絡水槽、圧力トンネルなどが含まれます。

浅河原調整池の堤体が完成したのは第2期工事に入ってから
ということで第2期工事に含まれています。


という事で事前調査不十分でやってきたら
抜水していてちょっとびっくりした浅河原調整池見学でした。

雨にかなりやられてぷるぷるふるえつつ、次の目的地
山本第一・第二調整池に向かいました。

見たことない標識


どういう状況なのでしょう。
堤防を高波が越えているように見えます。
小千谷市の雪崩とはこういうイメージなのかなぁ。