穴内川ダム 見学 その7
「こちらのダムのパンフレットで頂けるものはありますでしょうか」
「パンフレットですか。いやここにはないですね。もともとここは無人の管理所なので
今日はたまたま点検があったから来ていましたが」
「そうなんですか」
「ちょっと待っててくださいね」
と、職員の方は管理所に上がって別の年配の方と一緒に戻ってこられました。
「すみません。パンフレットですがこのダムの下流にある繁藤ダムというところに
行って頂いたらあるはずなのでそちらで貰ってください」
「ありがとうございます」
年配の方は詳しい事を御存じのはずとここで一気に質問開始。
「こちらのダムの堤体内の空間は全部で何個あるんですか」
「16個です」
「中空重力式の堤体は今までいくつか見てきたんですが
中部電力さんの井川と畑薙では空間の形が違うと教えていただいたんです。
こちらの穴内川ダムの空洞はどんな形なんですか」
「I型のブロックを並べて空間が間にできる形なので・・」
「あ、では井川と同じで底面が6角形の空間なんですね」
「そうですね」
「昨年、大森川ダムも見学したんですが下流側の換気孔の外に足場があって
あそこから出入りするのかと本気で思っていたんですが」
「(笑) あれは扉体点検用のものです。堤体内への出入り口は
ここと同じでちゃんと堤体の端の方にあります」
「中空重力式である事で通常の重力式の堤体と管理の上で違う事とか大変な事とかありますか」
「やっぱり堤体内の空間がこれだけありますから点検距離が長くて時間がかかりますね」
「今日は放流されていますが何t/sくらいなんですか」
「えーと。現在は30t/s位です」
「矢木沢のように美しいですね」
「(笑) 矢木沢は綺麗ですね。それほどじゃないと思いますが・・勿体無いと」
「確かに勿体無いですね。せっかくのエネルギーの源が」
「先日まで本当に水位が下がってここもカラカラだったんですよ。やっと一杯になったところです。
早明浦も回ってこられたんですか?」
「はい♪ 242t/s放流中でした 」
突然の観光客に気持ちよく質問にお答えをくださる四電の職員さんでした。
ありがとうございます♪
大森川の謎まで解くことができました。

穴内川ダム、堤体右岸から下流面。
ずらりと並ぶ換気孔とその上で角度が変わっているために
他の中空重力式と顔つきが違います。
洪水吐きゲートが片方によっているせいで堤体が翼に見えて仕方がない
何かをイメージさせるなぁ
なんだろ?
片方の翼
片翼・・
あ、
サモトラケのニケ だ
自分にとって穴内川ダムの堤体イメージは
ルーブル美術館所蔵品につながっていたという事に。

今まで見た中空重力式と違うのは
角度が変わっている堤体下流面や
天端の狭さ、堤体の端に偏った洪水吐水路とゲートだけでなく
各中空の上だけでなく床面にも監査廊に繋がっているであろう
入り口が開いていることです。
フーチングを目で追うと各ブロックに入口があるのがわかりました。
ひとつずつのホローに上と下に空気の出入り口があることになります。

30t/sの放流で下流は大騒ぎですが
ダム湖はというと時間が止まったかのように静かです。

下流では美しい水しぶき。
来て良かった。
お天気がもってよかった。

四国電力で一番大きなダム湖を持つ中空重力式の堤体・穴内川ダム。
独特の個性を持っている実に見どころの多い中空重力式でした。
点検作業に来ておられた四電の方からパンフレット入手先として教えていただいた繁藤ダム(堰堤)に行きました

繁藤ダムはこういうところにあります。

繁藤ダムに到着してすぐ目にとまった看板。
「あがられん」
大阪弁で考えてしまうと能力的に上がれないという意味に・・
実際は「上がるな」なんだと思います。
これについては聞きませんでしたが
対岸にある繁藤ダム管理所でしっかりパンフレットを頂くことができました。