令和6年 尾曽谷ダムの桜
2024/4/21 更新
令和6年の早春は近年では珍しく雨が多く、年末には渇水を心配していた琵琶湖や
近畿のダムにも十分に水がたまり、ほっとしていました。
しかし、気温の変動は激しく、冷え込んだり暑くなったりして桜の開花は予想を大きくばずれ
近年では珍しく4月になってから満開を迎えました。
桜前線がやってくる前に、お世話になっている関西電力の中の人に
尾曽谷ダムの桜、いつ頃満開でしょうか~とお聞きしたりして
お休みにやってきました日高川。
日高川にやってきたらまず立ち寄るのはやっぱり大好きな船津堰堤。
前日までまとまった雨があったので水量豊富で瀑布になっていました♪
堤体越流分はいいんですが、その取水口の横からどーっ!!!!っと
出ているのは排水路でしょうか?
勢いがすごかった。
普段はこんな感じでとても穏やかな顔なのです。
発電所の下流側にも気になるものが目に入りました。
どう見ても魚道なんですが。
堰堤の魚道とは別にこちらにも設ける理由があったんでしょうか。
謎の多い船津堰堤。
下流にかかる橋まで移動してくると直下真向きが撮れます。
たっぷりのお水。
しかも洪水後の泥水じゃなくて綺麗なお水なのでとても良い♪
量が多すぎて魚道からばっしゃばっしゃ溢れているのも良い♪
と、船津堰堤を愛でた後に到着しました。
尾曽谷ダムの下にある高津尾発電所の素敵なレンガ建屋。
お仕事引き継いだ新高津尾発電所と一緒に撮る♪
いそいそと堤体に向かいます。
水圧鉄管と桜とワインディング。
至近距離なのが良い。
余水管と桜とワインディング♪
全部良い。
あちこちに桜が有名なダムはあるけれど
自分の中ではランキング上位に必ず入るのがこの尾曽谷ダムの桜です。
堤体まで登ってきました。
どこまでが堤体なのかはパッと見ただけでは判別できません。
堤高は26.5mあるのでこの場所はもう堤体の上です。
尾曽谷ダムの諸元です。
センターコアフィルアースダム
大正7年(1918年)竣工
堤高 26.5m
堤頂長 82.5m
天端幅 6.0m
堤敷長 122m
上流面勾配 1:2.5
下流面勾配 1:2~(堤体上の道路で変化)
広々天端は竣工当時のままではなく綺麗に舗装もされていますので
面影がないように見えますが…
このwave wallに似た急角度で立ち上がる石積みを見れば
当時最先端だった英国標準設計のアースダムっぽさを感じられます。
昔の写真、どこかにないものか…。
天端から見下ろすと高津尾発電所と新高津尾発電所と日高川の水面が
桜の海の向こうに見えてほんとに綺麗です。
奥まで見通せる小さなダム湖ですが
水の流れはすごく早いし、余水吐に溢れないぎりぎりの水位で
きっちり取水口に流れ込んでいるのが見ていて楽しいです。
日高川上流にある、山の向こうの上田原堰堤からの
水が届く導水トンネルのポータルをチェック。
あああ。
伸びた雑草が扁額の文字を隠しているのが悲しい。
また草刈してもらわねば。
琵琶湖疎水の田辺朔郎博士の筆による扁額「世百利」。
今回、お世話になっている関西電力の中の人に
この扁額についてのエピソードをお聞きしました。
「世百利」は右から読むので『利百世』で
「永遠に、百代世までも利用できるように」という意味だそうです。
高津尾発電所を運開した和歌山水力電気の初代社長・島村安二郎氏が
当時、京都大学の教授であった田辺博士にお願いされたという エピソードでした。
すこぅし…すこぅしだけ
英国標準設計に似てるし
バルトンの「都市への給水」に出てくるアースダムにそっくり配置だし
(実際にある水路は旧・流筏路で排砂バイパスチャンネルではないけれど)
田辺博士が設計に関わっていたりしてー…と妄想してましたが
さすがにそれはなかったみたいです。
妄想しすぎ。
次に移動してきたのは左岸の展望所。
季節によってというか、スズメバチの営巣とかで
時々、やむなく立入禁止が発動されるこのルートですが
この日はそういう害虫毒虫の影響もなく普通に通ることができました。
ありがたい。
新高津尾発電所工事の時の記念写真とかも見られるし
なんといってもここはほんとに展望が良いのです。
桜の海と日高川と発電所♪
堤体からずっと続くワインディングと桜。
堤体は多分、写真中央のカーブくらいまでです。
ダム軸から下流に80mくらいまでが堤体なので。
鉄塔もいれて曇り空の下、桜とダム写真。
展望台から見えていた橋からだとどんなふうに見えるかなと移動してきました。
放水口になんかパイプがいっぱい…。
他の発電所ではあまり見ないものなので疑問符。
うがーー。
電線邪魔ー。
消しゴムマジックとかで消しちゃう人には気にならないかもですが
そんな文明の利器を持っていないのでそのままでしか撮れない。
あ、でも、ここ、なんかよい感じ♪
煉瓦に桜に鉄塔に水圧鉄管♪
#みずいろネット♪
ということで大好きな尾曽谷ダムの桜を堪能するために
またまた日高川まで行ってきたレポートでした。