川上ダム 流入水バイパス取水堰
2023/1/11 更新
令和4年10月半ば、じりじりと試験湛水で水位を上げてきた
川上ダムのライブカメラ映像です。
予想に反し、台風による急激な水位上昇も無く
穏やかに湛水を進めています。
管理所前にあった展望台がなくなってからは定点観測ができないし
天端にも入れないのでもっぱにライブカメラで状況確認するしか手段がない。
そしてじりじり水位が上がるのが先か周辺工事が終わるのが先かという状況。
堤体周辺の工事はどんどん進んでいます。
なのでもうそろそろ、上流の流入水バイパス取水堰の方は
完成しているんじゃないかな〜と、会いにやってきました。
綺麗に完成していたー♪
取水堰周辺にはもう工事作業をしている人の姿もなく
作業機器もなく、すっきり片付けられています。
これは桜が咲き始めた3月末に会いに来た時の写真です。
まだまだ堤体は低く、形は出来上がっていませんでした。
立派に出来上がって白白コンクリートがまぶしい♪
流入水バイパス取水堰のお仕事は清水バイパスではありません。
川上川、前深瀬川、名張川、赤目四十八滝のある滝川など
このあたりの川には天然記念物のオオサンショウウオが多いのです。
川上ダムでは秋から冬にかけてダムから供給される水が
河川水温より高くなることが見込まれているので
秋口に水温が上がらないように上流の低めの水温の河川水を
そのまま下流に持っていくための水温対策の設備です。
下流に生息する生物への影響を最小限にするために
設けられた設備になります。
取水堰はチロリアンことチロル式取水です。
堰の越流部下流側にスクリーンがあり
ここから堤体内に水が入っていきます。
堤体内にある水路で入ってきた水を右岸側にある沈砂池に導きます。
ここまではまず間違いない。
沈砂池で流速が落ちると水に混じった砂が沈殿します。
沈砂池にたまった砂は定期的に外へ出すので
水はその後、調整水槽を経て水路に入り
最終的に管路でダム直下まで届きます。
上流側から沈砂池、次に調整水槽、さらに次が調整水槽下流水路
らしいというのは聞いていますが、右岸側が隠れて見えないので
いまいちどこがどれかはっきりしませんので
また、いつか見学させてもらった時にちゃんと書けるかなと思います。
水の取り込みチロリアン。
エアダクトのような管。
下流に伸びている水路の端っこです。
うーん。
ここら辺に魚道が伸びてきているはずなんだけど
はっきり見えません。
まだ先があるようです。
近くから見てみたいなぁ。
この取水堰で一番気になっているのはチロル式取水部でも魚道でもなく
個人的に水叩きです。
粗石コンクリートで造られたという水叩きです。
これも3月に会いに来た時の写真です。
水叩きの粗石コンクリートが鉄骨の向こうに見えたので
大喜びで撮っていました。
高流動コンクリートと現地発生材で綺麗に固まっております水叩き。
自然河床に近い形の水叩きです。
サンショウウオがうろちょろする川にはぴったりかと思われます。
川上ダムの試験湛水が終わる頃には
この取水堰までの道路の工事も終わると思うので
また様子をちらちら見に来ようと思います。
できたてほやほやの川上ダムの流入水バイパス取水堰でした。