坂本ダムのポスター

2021/9/1 更新

三重県の尾鷲にやってきました。


R425に入ってまずはクチスボダムに。
丁度、ゲート放流していました。

大きな雨域が来ていたわけではなく
山間部に雨雲が発生しては消え、発生しては消え、の
大気が不安定になっています状態が数日続いていました。

ドカ降りしたかと思うと10分足らずで晴れ間がやってくる、の
繰り返していた日でしたので年間降水量日本一の大台ケ原の麓では
珍しくない放流かも。


コンバインダムの綺麗な左岸側のフィル下流面芝張り。


フィル上流面のリップラップ。
クチスボダムはいつ見ても可愛い。


クチスボダムから少し上流に進めば
でんぱつ様の尾鷲第一発電所です。

坂本ダムからのお水で発電しています。

池原ダムと坂本ダムがダム湖で繋がっている立地なので
池原ダムの揚水発電、と聞くとついつい坂本ダムとの間で揚水をしているのかと
勘違いされやすいのですが、池原ダムと揚水発電をしているのは
下流にある七色ダムです。

坂本ダムは尾鷲第一発電所を通してクチスボダムへ水を送ります。
クチスボダムから尾鷲第二発電所を経由して尾鷲湾へ水が届きます。
何度も何度も水車を回して電気が生まれます。


尾鷲第一発電所の横にかかる新長尾橋を渡ってどんどん上流へ向かいます。


尾鷲第一発電所のサージタンクが見えていました。


R425、落石もそこそこありましたが舗装路だし。
大雨が降ったりやんだりの中、無事に三重県から奈良県へ入りました。
県境には通行規制の看板も。
連続雨量200mm、時間雨量40mmで通行止めになります。


大台ケ原で“せぶり”と呼ばれる雨。
雨粒一つ一つがでっかいです。
そしてザーっと降るとあっという間にこの状態。
トンネルのポータルがシャワー状態。


そんなトンネルの銘板を見て、でんぱつ様の初代ロゴマークでにやけるなど。


不動橋までやって付きました。
ここにもでんぱつ様の初代ロゴマーク♪


反対側の親柱を見ると川でもなく貯水池でもなく谷の名前が書いてありました。
現在地、岩屋谷。


この橋を渡る時に雨音を上回る水の音に吃驚しまして
橋を渡ってすぐ駐車。


橋の架かっている岩屋谷にあるこの滝が凄い水量だったのです。


うおぉ!!
滝はあちこちで見てきましたが紀伊半島では
雨あがりにそこそこの滝が出現するのは日常的なことなので
余程の滝でないと車を止めたりしないのですが
ここは迫力が違いました。

凄いな不動滝。

普段は細ーい滝がちろちろちろって流れているだけなのに
大気が不安定な日がニ、三日続くとこれですか。


何が凄いって尾根の頂に何段も大きな滝が出現している事です。
大迫力。

さすが電源地帯、大台ケ原。


更に進んで、坂本ダムの水を尾鷲第一発電所に送っている
古川取水口です。


取水口の網場と繋船設備です。
裸地が目立ちます。
坂本ダムが満杯の幸せ水位はなかなか出合えないという印象。


到着しました。水位はそんなに高くありません。
川の防災情報ではこの時刻、EL374.0mくらいでした。
しかし量水標は水位標高でなく利用水深表示なので一瞬分かりにくい。


いつ見てもかっこいい坂本ダム。

昭和37年に竣工していますがドームアーチならではの真っ白中央素敵。


そして本日の目的はここ。
監視室の横の壁。


「日本ダムアワード2020」放流賞受賞について


電源開発株式会社様のHPで
この受賞記念ポスターが坂本ダムに展示されたという御連絡を頂き
行く機会を狙っていたのです。

この写真、ホントに貴重で晴れた空の下
洪水でもない時の美麗越流なのです。

尾鷲第一発電所の点検で取水を止めて水位が上がっていた時の撮影なのです。
物凄く美しい。


あったわー♪
ダムアワード選考委員の端くれとして
何としても写真を撮りに行かねばと思っていたので。


写真が萩原様の撮影だというのもばっちり入っていますし。


電力会社様がダムファンの一方的愛情をダムに投げまくるイベントを
こんな凄いポスターまで作って喜んでくださるなんて…。
時代、変わったなとうるうるしてしまいます。


池原ダムからのルートが土砂崩れで通行止めになって数年経ちますが
まだ復旧のめどは立っていません。
R169から林道でも尾鷲からR425でも辿り着くのはちょっと大変な
坂本ダムですがお越しになったらぜひ、監視室のポスターと
美しい堤体を愛でて嬉しくなる気持ちを共有していただきたいです。