桜の尾曾谷ダム その4


折角ここまで来たのですから
田邊朔郎博士の「世百利」の扁額がある導水トンネルの先の部分にやってきました。

道路側からゴミとか投げ入れられたりしないようにがっちりとフェンスが立っています。
ここは導水路の入口に設けられた沈砂池だと思われます。


まったく見えないのかと思っていたらフェンス沿いに歩くと
横のフェンスは壁ではなく柵なのでこのように見ることができます。

手前の越流堤が沈砂池の余水吐に当たる部分です。


この沈砂池の横の日高川はというとこんなに深いので
取水堰堤はもっとずっと上流にあるようです。


道の横に山との間にずーーっと巨大な屋根付きの開渠があります。
これをたどっていけば取水堰堤に到達できます。


さらに上流にどんどん進んできて到着しました。
新高津尾発電所に送水している上田原堰堤です。


立派な魚道がお水を供給。
瀬切れが起きないようになのか
お魚のパワーを考慮してなのか
堤体方向に流れ出す仕組みも二か所持っている魚道でした。


道路の横にある取水口からお水がどんどん流れ込んでいます。
ここから尾曾谷ダムにお水が届きます。
新しく掘られたトンネル導水路がありますので
尾曾谷ダムには取水堰堤からほぼダイレクトで届く新ルートと
開渠と竣工時からの導水路トンネルを経由する二つのルートがあることになります。

100年前、大正7年に和歌山水力電気によって竣工した高津尾発電所
その後、京阪電鉄、合同電気、東邦電力、関西配電とオーナーは変わり
現在は関西電力様の発電所です。

旧高津尾発電所は79年もの長きにわたり仕事を頑張り今は引退しています。

この場所に生まれたダムと発電所をお祝いするように
敷地には桜がたくさん植えられ、今も新しい木々が植えられ続けています。

これからも長く永く電気を作り
長く永く地域に愛されるダムと発電所であり続けるのだと思います。

満開の桜の頃にこんなにも美しい姿を見せてくれた
関西電力様の管理ダムで唯一のアースダムでもある尾曾谷ダムでした。