淀川陸閘 その1

2022/8/11 更新

令和4年のwith Dam☆Night2022で鋼製ゲートについて
大阪の防潮水門には変わり種が多いことは分かっていましたが
それらの写真と取材ができていなかったので初夏の猛暑(初夏なのに)の頃
試験運転に出かけて写真を撮っていました。


そんな中、近畿地方整備局様からのプレスリリース。
「台風による高潮から浸水被害を防ぐ防潮鉄扉の閉鎖訓練を行います」

https://www.kkr.mlit.go.jp/news/top/press/2022/sih68m000000k49t-att/20220601-2kunren.pdf

やったーーー
以前からずっと見たかった淀川陸閘の訓練だーっ
何としても見に行かねば♪


台風による高潮被害を食い止めてくれる防潮水門は
大阪湾にまっすぐ乗り込んできて1000本電柱ぶっ倒れ大被害(実際は1300本超)に
関空連絡橋にタンカー走錨で激突事故が発生した平成30年21号台風(T1821)でも
こんなに効果を上げていたのです。


T1821が大阪湾に突っ込んできたときのレーダーです。


2018年9月4日13:30の近畿地方のレーダーです。
台風の中心がもろに淀川にやってきました。


台風が乗り込んできたことで短時間にとんでもない速さで海面上昇が起きています。
これが怖い高潮。

この時、淀川陸閘の敷高を21cmも
淀川本川水位というか吹き寄せられた大阪湾水位というか
とにかく陸閘の向こうでは超えているわけです。


海面上昇が極まった頃のレーダーがこちらです。
ホントに大阪が誇る防潮水門軍団がお務め果たししてくれて
ありがとうの言葉しかないくらい感謝感謝なのです。


その大活躍した淀川陸閘ですがとにかく変なゲートです。
こんな変な動きをするこんな大きな防潮水門は国内にここしかない。

特徴はその動きであるわけですが
本気で閉める時、短い時間で閉鎖できるのが最大の特徴。
こんなでっかいものがわずか17分で全閉から全開に持っていけるのです。


これは普段の淀川大橋南詰の様子です。
横で工事が続いているので色々ありますが
扉体は格納庫の中でお休み中です。


左岸ゲートの銘板です。

左岸側の扉体の幅は24.0m、高さは2.50mで日立造船様の作品です。
シェル構造180°回転式ゲート。

右岸側の扉体の幅は24.0m、高さは3.03mでIHI様の作品です。
IHI様のHPでは“鉛直スイングゲート”と記されていますが同じ物です。



ということで地下鉄千日前線で野田阪神駅から現場にてくてく向かっています。


電光表示板には淀川大橋が通行止めになる表示。


周辺の道路には着々と通行止め準備が進められていました。


淀川陸閘のある国道2号線淀川大橋南詰に到着しました。
まだ閉鎖訓練時間には早いので普通に車が通行しています。


訓練開始時間までに行って帰ってこれると踏んで
淀川大橋を渡って北詰まで行ってみることにしました。


淀川大橋北詰は南詰に比べて暗くて静かでした。
単に、淀川大橋南詰は別の工事現場が隣接していて
その照明で異常に明るかっただけだった模様。


格納庫の扉が開いて陸候の基部がちらり。


ということで、まだ車も橋の上を通っているし大丈夫だろうと
南詰にいそいそ戻ります。


もうすぐ南詰というところで視界の端に上がり始めた陸閘が!!

わぉ!!車止める前にある程度、起こしておくのかっ。


焦りましたが間に合いました。

と、写真を撮っていると、周囲の国土交通省の防災服に身を包んだ方の背中に
関東地方整備局や中部地方整備局の文字が見えました。
あちこちの整備局から視察か訓練参加かわかりませんが。
珍しい陸閘だから?