建設技術展2019 その1

2019/12/11 更新


今年も建設技術展のシーズンになりました。
という事でやってきましたマイドームおおさか。


受付を済ませて三階のエントランスへ。


入ってすぐの所にブースを構えていらっしゃったのは
橋建協様こと日本橋梁建設協会様です。


うーむ。
橋、難しすぎる。
2径間連続非対称ブレースドリブアーチ橋。

わからん。

非対称放物線不等厚アーチ式コンクリートダムならわかるのだが…。


ブースにあったパンフレットです。
『災害時に活躍する橋 応急組立橋 』

被災地で孤立した場所で
川の向こうに、沢の向こうに、土砂崩れで寸断された道路に
仮設橋がどれだけ心の支えになるか。

鉄橋ならではの機動力と架橋の速さが
災害時にとても心強いのです。


橋がどういう手順で架けられて行くかを学べる動画があったので
HPでどんどん公開してほしいなと思いました。


兵庫県まちづくり技術センター様のブースです。


なんと兵庫県の花、のじぎくのマンホールの蓋が
こんなに可愛らしく展示されていました。
華やか〜♪


配布されていた『ひょうごのマンホールガイド』です。
凄い数です。
あの神戸市のカッコいい万年歴も朝来市の神子畑鋳鉄橋も載っています。
どのエリアにどんなデザインのマンホールのふたがどれだけあるのか
ばっちり載っているこの冊子は欲しがる人がきっとたくさんいると思います。
兵庫県下水道協会様の発行ですから欲しい人は
問い合わせてみるものいいかもしれません。


次にやってきたのは大阪に本社がある青木あすなろ建設様のブースです。


映像が流れていたのでちらりと目をやったところ
近畿地方整備局紀南河川国道事務所のカメラの映像で
T1112による紀伊半島大水害の復旧作業であると分かり
じーっと見ていました。


T1112で凄まじい被害を受けた熊野川河口部
上流から押し寄せた土砂が堆積して河口付近は
川の底が上がって浅くなってしまいました。

こういう場合に活躍する工事をしてくれる船、作業台船も
川が浅くなりすぎると近づくことはできません。
そして数メートル以上の水深があるので
陸上で活躍する建機も近づけないという
とても厄介な現場が形成されていたのです。


こちらは熊本地震で大変なことになった
九州地整の立野ダム建設現場の仮排水路の様子です。
川に流れ込んだ大きな岩をどけてくれています。


そんな場所でも活躍できるスペシャルな機体。
それが1972年に開発されたコマツの水陸両用ブルドーザーD155Wです。

青木あすなろ建設様の「水陸両用ブルドーザー」のページで紹介されていますが
国内で36機製造されたD155Wのうちの1台を所有されていました。

東日本大震災と同じ年に起きた紀伊半島大水害。
被害の全容が詳細に伝えられるようになると
復興工事にどんな機体が必要になるか調査結果もでてきます。

そこで必要だとされたのが
「船は近づけない陸上の建機では入れない浅水深の現場に対応できる建機」
でした。

小松製作所様が1968〜1969年に実用化した水陸両用ブルドーザーD125W。
小松市のわくわくコマツ館の年表にもしっかり載っていました。

それが更に進化したのがD155Wです。
36台製作されました。

小松製作所様は青木あすなろ建設様が所有していた1台を
コマツ大阪工場でレストアして新車にしてくださったのです。


模型の横にあった絵本です。
「のっぽのスイブル155」
正確に描かれた微細過ぎないバランスのとれた美しい絵
見やすい伝達力のある正確な絵
こんな素敵な絵でD155Wが現場に復帰するまでの様子を描かれたら泣く。
いや、すでに表紙見ただけでもぐっと来て泣きそうになりましたが。


各地の災害復旧現場で大活躍です。

D155Wはブルドーザーとしての機能だけでしたが
バックホウ搭載型の子やクレーン搭載型の子も新しく生まれてきましたので
活躍する現場が飛躍的に伸びたのです。

それを必要とする現場の声をいち早く拾って
実現してくださったのですね。


宮城県で頑張っている作業風景です。
絵本に登場するシーンはここの作業なのだとか。
宮城県の名取川河口付近の閖上大橋です。

もしこの子、D155Wがいなかったら
ここの工事はどんなふうに進んだのだろうかと想像すると
素人なのでとてつもなくいい加減ですが
作業台船が近づけないほど河床が上がっていたということなので
上流に締切堰堤を設けた上で通常の陸上建機で工事が進められたのでは…
と想像します。

大河川の河口付近で締切堰堤の建設となると
大変な工事と工期になるなと想像に難くないので
余計にこのD155Wがいてくれてよかったなと思えるのです。

頑張って働いているところが見てみたいです。
でもタイミングが合わなかったら現場に行っても
排気筒の先しか見えないかもですね。
それはそれでとても可愛らしいですが。