伊勢湾台風60年 その3


名古屋駅からふらふら6kmくらいてくてくして
目的地に到着しました。


名古屋工業大学です。
本日のイベントの看板も立っています。

伊勢湾台風60年
特別シンポジウム 〜命を守るために〜


門を入ってすぐの所にある講堂には
本日の細かいスケジュールが。


まだ時間早いしなー…と自動販売機で飲み物を買ったりして
ゆっくりしていると国土交通省の災害時に活躍する車両が次々と到着しました。


これは排水ポンプ車です。
あちこちの水害でホントに大活躍です。

浸水した堤内地から川へ何本も大きなホースを渡して
ガンガン排水してくれる頼もしい車です。


これが排水ホースのアップ。
これが活躍しないような災害のない穏やかな年があったら良いのですが
毎年あちこちで活躍しすぎ。
それだけ浸水被害を起こすとんでもない豪雨が増えています。


可愛い部屋が運ばれていました。
たぶんこれは豪雨体験じゃないかな〜と遠目に撮影。


本日は子供向けにもイベントが用意されていますので。
講堂入口前には濡れてもよいように履き替え用の履物と
タオルがいっぱい並べられていました。


時間より早いですが講堂に入ったところにパネル展示がしてありましたので
まずはこれを見て事前学習。


伊勢湾台風とは

『暴風域の直径は過去最大の700km』
ざっくり言うと
西は尾道、東は水戸。
これだけの地域が一気に暴風圏に!!

『猛スピードの台風』
『早過ぎて勢力が落ちる前に上陸』
伊勢湾台風が上陸したのは紀伊半島の南端付近です。
台風の東側、降雨、風の影響が最も強く出るところが伊勢湾に直撃でした。

そしてこの上陸時の台風の勢力は929hPaでした。
かなり早い速度で進み、名古屋港で最も影響が大きかった
9月26日の21時台には950〜960hPaになっています。

9月26日21:27
上陸後、最低気圧958.5hPaを記録します。
この時に伊勢湾の潮位はT.P.3.89mに達しました。

つまり
台風が来たという情報が入ってから
避難しようか考える時間もあまりなく
突然、ものすごいスピードで災禍がやってきたのです。


防ぐ手段
逃げる手段
考える間もなく突然の高潮で地域が、暮らしが、壊滅するほどの
災禍に襲われた、それが伊勢湾台風です。


伊勢湾台風での高潮被害の記録写真を見ていると
東日本大震災の津波の写真ととてもよく似ていることに気付きます。

湾岸部に在った物が高潮で人家を破壊し
物凄い力で町を壊していったのです。


日本ではよく耳にするこの災害対策基本法という法律が
制定されたのも伊勢湾台風がきっかけだったのでした。


災害が運命づけられているこの日本で
大切なことはその伝承です。

伊勢湾台風の伝承をと設けられた記念碑は非常にたくさんあります。

あの日
ここまで水が来た

それを伝える碑に背を向けて
上流にダムが出来たから治水安全度が上がったと錯覚して
今まで水に漬かるからと宅地開発されなかった場所を
宅地として開発することを許可して
出水で被災してしまった時に
被災した方にきちんと説明できない地方自治体のニュースを見て
自分たちの責任にしないために
国の機関に責任を押し付けようとする所が
昨年の西日本豪雨では著しく目につきました。

知らなかったからというのが免罪符になるのか
災害の多き国土に住む者としてどうなのか
考え直さないといけない時期に来ているのだろうなと思います。

そんな自分が今、住んでいるのは
水不足で遷都されてしまった奈良の北部で
水不足という災害以外にあまり縁がない奈良盆地なわけですが…。
南部は大変なのに北部は防災意識が低いです。
ホントに鹿の国はのんびりさんです。