令和3年 土木遺産展 in 狭山池博物館

2021/3/31 更新


2020年の建設技術展 近畿。
マイドームおおさかに駆け込んできました。
毎年楽しみにしている建設技術展。
今年は仕事で行けそうにないと諦めていましたが
もしかしたら間に合うかも・・・と終了時間まで
カウントダウンが始まった頃に滑り込み。


展示はもう片づけが始まっていまして大慌て。
いそげいそげ見られるところだけでも急げ。


『ボンド木工用だけ有名で困っています』のコニシ様のブースも
すでにこの状態。
あああ、木工用ボンドちゃんが空気抜かれてへにょへにょ。


津波が来ると予測された時に海岸ではこんなフラッグが振られるのか。
津波フラッグ覚えた。
でも振っている人逃げてほしい。


昨年、スイブルことコマツD155Wの詳しいお話をくださった
青木あすなろ建設様のブースでスイブル君見つけた♪♪


そしてこんなすごい雑誌があることを知った!!!!!
これは、すごい、たまらん、うぉぉぉっ!!
重機ファン!!!!
買わねばっ。


と、片付けタイムに現地入りした悲しさで
あまり、情報収集できなかったのですが・・・


大阪府狭山池博物館の土木遺産展はしっかりチェックさせて頂きました。


狭山池博物館で令和3年春にトンネルの展覧会が開催されるお知らせっ!!


令和2年の春にCOVID-19のせいで
準備万端で整えていたのに泣く泣く開催が中止になってしまった
トンネルの展覧会が関西だけでなく全国のトンネル紹介に
パワーアップして開催されることになったのです。

大喜びだ♪


そして期間は短いですが
土木学会選奨土木遺産認定記念で
南河内の土木遺産展が開催されるというポスター。

地味に写真に写っているのが特急こうや号。

◆ ◆


ということで2020年晩秋に狭山池ダムにやってきました。


北を見ると…


安威川ダムよりはかなり近い距離であべのハルカスが見えます。
という事はハルカスからも…。
いやいや
こっちはぺったんこだから中々見つけるの難しい。


大阪府立狭山池博物館。
2020年で会館20周年でした。


令和3年春季企画展 土木遺産展 トンネルめぐり
が、とても待ち遠しいけど、この時はまず
土木学会選奨土木遺産に認定されたお祝いで
開催されていた南河内の土木遺産展にやってきました。


現物展示、レプリカ展示、豪華な展示品の前を通りすぎて
目指すは南河内の土木遺産。


多目的コーナーにパネル多数。
大阪狭山市域の南海電鉄煉瓦造暗渠郡の紹介です。


しかしっ
一般社団法人 日本橋梁建設協会様提供の資料が面白かった。

関空連絡橋超突貫復旧工事の説明パネルとかあったので。
タンカー激突した部分を下から見た写真にびっくり。


帝都の江東区に架けられたニールセンローゼ橋
中防内5号線橋梁の説明パネルで吃驚仰天。

餘部鉄橋の架け替えでも信じられなかったけど
最近は造った物を持ってきてはめ込む事例も増えているんですね。

餘部鉄橋の工事ビデオも信じられない技術の進歩に感動したのですが。
どんどん進歩する技術に感動。

動画もありました。

鋼橋の架設工法の紹介ということで
・送り出し工法
・クレーンベント工法
・横取工法
・片持ち式工法
・ケーブルエレクション工法
・一括架設工法
と、貴重な映像が流れていてこれもウハウハでした。

建設技術展でゆっくり見ることができたら時間をかけて勉強できたであろう
貴重な資料を場所は違えどしっかり見ることができて幸せでした。

でも橋はどれだけ勉強しても難しい。
アホの頭には理解不能。


この時の展覧会はこちらでしたが…
すいません。
南河内の土木遺産の方が面白くて…。

◆ ◆


年が明けて3月らしからぬ温かさがいきなりやってきて
梅と雪柳と桜とタンポポと蓮華と木瓜とモクレンと辛夷と
花がいっぺんに間髪開けずに咲き始めて
燕が飛び始めて夜には蝙蝠もぱたぱたし始めた年度末。


大阪狭山市駅からてくてく歩いております。


桜満開の狭山池ダム。
全周にお客さんもりもり。
いつも通りの春の狭山池ダム。


土木遺産展のポスターが嬉しい。
いそいそ。


1年越しでパワーアップして開催された土木遺産展 トンネルめぐり。


昨年の準備時にはなかった入口の大判写真。

これは、また、なんと男前な!!
すっごい男前のトンネル見つけてこられたなと吃驚。

群馬県はみなかみ町にある清水隧道の東口の写真です。
JR東日本様の管理されているトンネルになります。

会場にはこれでもかというくらいたくさんの貴重な資料がてんこ盛りでした。

「近代トンネルの幕開け」として紹介されているのが神戸の石屋川隧道です。

明治時代、石屋川は天井川になっていたので仮水路で川の流れを避けて
トンネルを造る部分の土手をごっそり取り除き、川の底をどんどん掘って
煉瓦でトンネルを造り上げた後、川を元通りに流すという開削工法が選ばれました。

明治時代の代表的なトンネルとして道路トンネルや鉄道用トンネルだけでなく
琵琶湖疏水のような水路トンネルも紹介されています。

「トンネルを楽しもう!」のコーナーではトンネルの作り方として
工法がいくつも紹介されています。
トンネル工事の時によく出てくるNATM(new Austria Tunnelling Method)工法についても
山をどういう順番で掘っていくのか図があってとても分かりやすいです。

山岳工法、開削工法、シールド工法、沈埋工法。

大阪・神戸近郊だけでこれらの全部の事例がみられるの嬉しいです。
特に安治川河底トンネルがあるのはとくによい。

「大正〜平成時代のトンネル」では
世界のトンネル史に於いて史上屈指の難工事とされた丹那隧道と
“9117m 22年”の鍋立山トンネルについての展示がありました。

鍋立山トンネルの工事誌も展示されていいて
その厚みに涙が出そうになりました。

建設時に現場で頑張られた方と建設技術展でお会いして
が結婚式も延期になったと仰っていたエピソードを思い出したり
ひとりでうるうるしていました。

「トンネルと神事」では
トンネル工事の時に必ずお祀りされる坑口の上の化粧木や
貫通石コレクションの展示が楽しいです。

この展覧会をお知らせした一流の橋愛好家の方からは
鍋立山トンネルについては、まつだい駅に併設の
道の駅・まつだいふるさと会館に
鍋立山トンネル建設の資料展示コーナーがあるという事を教えて頂き
十日町市にいったら絶対立ち寄ると心に決めました。

そして大量の絵葉書コレクションにトンネルカードの展示もあり
隅から隅まで情報量がものすごくて最高に楽しい展覧会になっていました。

そして
別嬪さん揃いの今回の展覧会の中で一番の別嬪さんは
和歌山市の毛見隧道。

決めた。

トンネルの王妃。

雨上がりだったら最高に美しいだろうと確信。
美しく撮るために撮影時間と気象・気候まで考えなきゃいかんと思わせる別嬪。


毎年、素敵な土木遺産展を開催してくださっていた狭山池博物館で
ちょっと悲しいお知らせがありました。

これだけのクオリティの展覧会を準備するって並大抵のことではないと思うのですが
土木遺産展の陣頭指揮にあたっておられた方が退職されるという事で
今回の土木遺産展が狭山池博物館での最後のお仕事になるということで
とても気持ちが下向きました。

いままで素敵な展覧会をありがとうございました。

今回の展覧会は会期も長いので
2年分のパワーが詰まっていると思うので
たくさんの方に来ていただきたい狭山池博物館の令和3年 土木遺産展でした。